努力の量は自分にしか分からない

身体の奥 喉の真下
君の書く詩を ただ真似る日々を

忘れないように
君のいない今の温度を

出典: パレード/作詞:n-buna 作曲:n-buna

素晴らしい音楽がどうやって生まれるのか。

「君」と同じように歌ってみれば何か分かるのではないか?と思ったようです。

「君」の言葉や音をなぞるようにして、才能の形を知るのに必死だったのでしょう。

だから主人公は、「君」が歌う歌をすっかり覚えてしまいました。

しかし、ただ覚えただけで才能の形は掴めないままに至ります。

今、主人公は既に音楽を手放しています。長年愛し続けた音楽が跡形もなく消え去りました。

音楽に対する情熱も消え失せ、今は自らの体温しか持っていません。

この温度差は、才能を持つものに近づこうとした努力の証だといえるのではないでしょうか。

しかしこの温度差を感じられるのは自分だけ。

どれだけ努力をしても、他人には理解してもらえないのです。

結果こそ全てであり、努力よりも才能が上に立つことを身をもって知っています。

終わりを決めるのは誰?

乾かないような想い出で
失くせないでいたこの歌で

出典: パレード/作詞:n-buna 作曲:n-buna

才能の存在を知るために必死で歌った曲を「失くせない」とはどういう意味なのでしょうか。

「失くす」には、所有物を意図せず手放してしまうようなニュアンスがあります。

つまり歌詞ではこの逆、意図して忘れようとしたけれど手放せなかったのだと考察できます。

音楽を手放したつもりでも、この歌だけはどうしても残ってしまうのです。

なぜなら、本気で音楽を愛したときに覚えた歌だから。才能ある者に追いつこうと必死だったときの記憶なのです。

もう少しでいい もうちょっとだけでいい
一人ぼっちのパレードを

出典: パレード/作詞:n-buna 作曲:n-buna

音楽は辞めたけれど、才能への執着はまだ心の中に残っています。

もしかして、今なら才能が開花する瞬間を掴み取ることができるのでは?

そんな望みも持っているのかもしれませんね。

誰かの心を揺さぶる音楽こそが、主人公が目指す音楽。主人公が考える「才能の開花」です。

今ならきっと、次はきっと……と彼は音楽を捨てきれず、才能の開花を待ちながら歌い続けるのではないでしょうか。

自分の中には自分でも気づかない才能、神様からのプレゼントがあるのかもしれない。

そう思ってしまうと、簡単には諦められないはずです。

決意の狭間で揺れ動く『パレード』

ヨルシカ【パレード】歌詞を解説!君のことを忘れたくないのは何故?切ない一人ぼっちのパレードが始まる…の画像

この曲の前半では、まだ音楽を辞めてはいませんでした。

諦めきれず、心揺さぶる音楽を生み出す「才能」を探そうという情熱が見えていました。

しかし自分の非力さを神様のせいにした瞬間、事実上彼は音楽を辞めたのでしょう。

それでも一度愛したものを簡単に捨てきれず、まだ見ぬ才能に希望を抱いて苦しんでいるのです。

コンセプトアルバムに収められたひとつの物語『パレード』

この続きが気になりますね!

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