1行目にある「ただ」とは、普通やありきたりというような意味です。
自分に嘘をついて我慢して、相手を不快にさせないように笑顔で接する。
ウキウキしていれば、誰だって頬が緩み笑顔になるものかもしれません。
しかしこの場面で伝えたいことは「この笑顔は愉快な気持ちのときだけではない」ということです。
辛いときに無理をしてしまうことは誰しもあると思います。
辛さを隠すように微笑みを絶やさない。
上記「心配する人」にあったように、無理をし続けると誰かに気付かれてしまいます。
それでも頑張ってしまい、貼りついたような笑顔にさらなる違和感が生まれるのです。
この場面では、心配をかけまいと精一杯笑顔で過ごしている姿を連想させます。
嬉しいとき
ただただ悲しいからって
泣いているわけじゃない
出典: およそさん/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
上記「無理を…」では無理して頑張る姿が確認できました。
1行目の歌詞にある「ただ」も上記と同じ意味になります。
そのためこのシーンはその様子とは違い「涙を流すのは嬉しいときでもある」という意味です。
辛いときに流す涙は、納得できることでしょう。
しかし、人は感動すると涙が溢れるものなのです。
この場合は「辛いことがあったわけではなく、嬉しくて涙している」となります。
涙を流すからといって全てがマイナスな意味になるわけではないのです。
円周率
自分の居場所
3.14 以降の向こうに 転がり落ちていた
ぐるぐる回ってどこにいる
出典: およそさん/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
【およそさん】に登場する「3.14」とは円周率のこと。
1行目の歌詞にある通り、角がないため留まることができません。
つまりこの場面でわかることは「自分の居場所はここではない」ということです。
つるつると滑って別のところへ行ってしまうのでしょう。
2行目の歌詞にあるように、行方がわからない状態なのです。
探してみよう
3.14 以降の向こうに 行こう 飛行機で
出典: およそさん/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
この場面でも上記「自分の居場所」と同じように円周率が出てきました。
この場合の円周率の先とは数としての意味ではありません。
自分が立っているこの場所は地球のどこか。
その地球も円であり、まるいです。
そのため、円周率の先とは今いる場所とは違う場所のこと。
この場面では「自分の居場所を探してみよう」といったような意味になるのでしょう。
ではなぜ「飛行機」なのでしょうか。
それは飛ぶ物だからなのだと考えられます。
飛ぶことでまるい形から抜け出せるようなイメージなのでしょう。
およその意味
およそ遠くまで
出典: およそさん/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
楽曲のタイトルである【およそさん】には込められたものがあります。
上記歌詞「心配される人」でもあった「およそ」という言葉。
この「およそ」とは一体どのような意味なのでしょうか。
それは「約」や「だいたい」というような意味です。
地球はまるいと説明しました。
それは研究や計測されたことによって、大きさがわかっているものです。
しかしその大きさは、1人の人間には漠然としていて実感が湧かないものなのでしょう。
「遠い」ことに間違いはないが、どれほどなのかは定まっていない。
この場面の歌詞の意味はこのようになるのでしょう。