リスペクトするミュージシャンに捧げました
さかいゆうさんのメジャーデビュー10年という節目の年になった2019年。
『孤独の天才 (So What) [feat. TERRACE MARTIN]』は2019年11月に配信でリリースされました。
タイトルや歌詞にはあるミュージシャンへの愛とリスペクトが込められています。
そのミュージシャンはジャズを語る時には必ず登場するビックネームです。
マイルス・デイヴィス:アメリカのジャズトランペット奏者、作曲家、編曲家。日本には彼を「モダン・ジャズの帝王」と呼ぶジャズ・ファンやジャズ評論家もいる。いわゆるジャズの巨人の一人。マイルスは、アメリカにおける人種差別問題には常に批判的であった。マイルス自身も、人種差別の被害にあった経験があった。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/マイルス・デイヴィス
さかいゆうさんが尊敬をしているのは孤高のジャズトランぺッター、マイルス・デイヴィスでした。
演奏スタイルからジャズに与えた影響まで今なお語り継がれています。
そしてマイルス・デイヴィスは音楽以外にも発信力を持つ人物だったようです。
今回の楽曲にたいするさかいゆうさんの熱い思いは公式サイトでチェックできます。
INFORMATION|さかいゆう Official Web Site
さかいゆう公式サイト。ライブ・イベント情報、メディア出演情報、ディスコグラフィー
社会の一員として生きていくときに、肌の色が違うことだけで差別を受けてしまう。
これは理不尽以外のなにものでもありません。
解決が困難な問題からマイルス・デイヴィスは逃げなかったのでしょう。
時には独りで闘う場面もあったはずです。
困難を打ち破り、ジャズというジャンルのトップスターの位置を手にしました。
今活躍しているアーティストたちから尊敬されるのは、音楽以外の要素も影響しているのでしょう。
お待たせしました。
『孤独の天才 (So What) [feat. TERRACE MARTIN]』歌詞の解釈に移ります。
キミへの問いかけ…実は
もちろん偉大なジャズミュージシャンへのオマージュが込められています。
でも、さかいゆうさんはそれだけにとどまる曲なら世には問わないでしょう。
168文字の歌詞は、今思っていることと伝えたいことで充たされています。
その言葉は誰のため
孤独から逃げてただろう キミじゃなきゃ
出典: 孤独の天才孤独の天才 (So What) [feat. TERRACE MARTIN]/作詞:売野雅勇,さかいゆう 作曲:さかいゆう,マイルス・デイヴィス,ジョン・コールトレーン
「孤独」は独りぼっちで寂し気な姿をイメージします。
独りで何かしていると「ボッチ」と陰でささやかれることもありますね。
そこから逃げるのは独りではなく、常に誰かと一緒にいたということになるのでしょう。
気の合う仲間と楽しく過ごしていたのならそれは充実した一時です。
でも周りに合わせて仕方なく過ごす時間だったことも否定できないでしょう。
そして次の歌詞にはカタカナの「キミ」が出てきますね。
「キミ」に言いたいことを隠すように途切れています。
この歌詞は何を示しているのでしょう。
「キミ」を私や僕という自分を指す言葉に変えてみると謎が解けそうですが、いかがでしょう。
「自分じゃなきゃ」の後には「だめなんだ」という言葉が当てはまりそうですね。
「自分じゃなきゃだめなんだ」は「自分がこうありたいと思うことは自分がするしかない」を意味するのでしょう。
孤独に耐えられない時、周りから孤独な人と陰口を言われた時。
自分に言い聞かせる言葉が歌詞に綴られたと推察しました。
孤独を避けて他人を頼れば…この後の歌詞に伝えたいことが続きます。
失くしたくないものを
そして人は 大切なものを手放すんだ
出典: 孤独の天才孤独の天才 (So What) [feat. TERRACE MARTIN]/作詞:売野雅勇,さかいゆう 作曲:さかいゆう,マイルス・デイヴィス,ジョン・コールトレーン
歌い始めの歌詞を受けて接続詞の「そして」という言葉が出てきました。
「孤独」から逃げ出していたという歌詞から、ここにつながるのでしょう。
独りを避けて群れていたら失ってしまうものは自分にとって「大切」こと。
ここではその失い方が歌詞になっているようですね。
自分の手の中にあるものを周りからの圧力で放してしまう、この様にも解釈できます。
仲間との絆も大事だけれど、それよりも大事にして欲しいのは、自分がどうしたいか。
周りが反対しても自分の意見を押し通すことで結果が出せることもあるのです。
孤立をしても「孤独」を貫けば…その先には輝きがあると信じているのでしょう。
自分が自分でいるために
孤独に関して自分に言い聞かせた歌詞の次には偉大なミュージシャンに思いを馳せます。
彼が歩んだ平坦ではない道を知れば孤独を恐れることはないのでしょう。