雨の日の河川敷 この駅で喧嘩したっけ
今日も生きてる 時々考えてしまうけど
出典: 生きるガール/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子
今日の天気は雨降りのようです。
雨、そして川は水によって構成されています。
これらの要素は憂鬱な記憶を引き起こすトリガーとして用いられているのでしょう。
思い出すのは些細なことで口論になった思い出。
「あの日も雨が降っていたな」
こんな憂鬱な記憶さえ、今の主人公にとっては愛おしむべきものなのです。
呑み込まれる言葉
「あなたがいなくちゃ生きていけない」
その気持ちは本物だったのに
出典: 生きるガール/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子
2回目のBメロでは最初の歌詞の末尾に“のに”が付け加えられています。
たった2文字を付け加えただけで同じフレーズにも多層的な意味が与えられるのです。
“のに”という接続詞が表すのは“~にも関わらず”。
つまるところ“今は違う”という言葉を主人公は呑み込んでいることが予測されるのです。
“晴れ”が映し出す主人公の気持ち
洗濯物を干すことの意味
それでも今日は晴れてる 今日は晴れてる
家に帰ったら
雨の日続きで溜まった洗濯物を干そう きっと干そう
出典: 生きるガール/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子
『生きるガール』のサビの歌詞を見てみましょう。
ここでも用いられるのは宮崎さんの得意とする天候をモチーフにした心理描写です。
“晴れやかな心”という語法に見られるように“晴れ”は心のモヤが取れた状態を表しています。
その後に続く“洗濯物”というワードも主人公の内面の比喩表現です。
ここでは宮崎さんが主人公に“洗う”のではなく“干す”と口にさせている点に注目です。
汗や湿気でジメジメした状態の衣類は主人公の心の粘度を表しています。
太陽の光により衣類に付着した湿気は別れた彼との思い出と共に消え去っていくのです。
笑わなきゃ...
ほら今日も世界は私の笑顔を待っている
だから笑わなきゃ 今日も笑わなきゃ ほら笑わなきゃ
無理してでも笑わなきゃ
出典: 生きるガール/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子
すがすがしい快晴の中、洗濯物を干すことで少しだけスッキリとした主人公の内面。
もちろんそれだけで過去の傷が癒えるわけではありません。
主人公の少女は一生懸命笑顔を作ろうと自分に言い聞かせるのです。
彼女の笑顔を待っている世界とは一体?
それは彼女自身の未来です。
ここまで『生きるガール』の歌詞を見てきたことで想像できること。
それは失恋という事柄をモチーフにした少女の成長物語である可能性です。
成長していく少女の内面
3週間の地獄の日々の末...
別れて3週間は地獄だった
目の前を歩くカップル殺したかった
それでもやはり時間の持つ力は偉大で
今では毎晩泣いたりしてないよ
出典: 生きるガール/作詞:宮崎朝子 作曲:宮崎朝子