東京事変【緑酒】

最新アルバム『音楽』収録曲

東京事変【緑酒】歌詞の意味を解釈!自由の価値とは?小さな頃描いた将来と直面する現実との違いに迫るの画像

2012年突然の解散から8年の時を経て、2020年元旦に再結成した椎名林檎率いる東京事変

その再結成は「再生」という言葉で表現されました。

「再生」後、新型コロナウイルスの影響で残念ながらライブはあまり行われていません。

その代わりに音源は実に精力的にリリースされています。

2020年の元旦、「再生」と同時に配信限定シングルをリリースし、4月にはEP『ニュース』をリリース。

そして2021年の「ロックの日」、6月9日に10年ぶりのフルアルバムとなる『音楽』がリリースされました。

この記事でご紹介する【緑酒】はその最新アルバム『音楽』に収録されている楽曲です。

『ワールドビジネスサテライト』EDテーマ

東京事変【緑酒】歌詞の意味を解釈!自由の価値とは?小さな頃描いた将来と直面する現実との違いに迫るの画像

【緑酒】はテレビ東京系列で放送されている『ワールドビジネスサテライト(WBS)』のEDテーマです。

『ワールドビジネスサテライト』は1988年から続く夜に放送されるニュース番組。

メインキャスターは現在大江麻理子が務めています。

2021年3月29日から放送枠やキャスターなどが変更され、番組がリニューアルされました。

そのリニューアルに合わせてEDテーマとして東京事変によって作られたのが【緑酒】です。

タイトルの意味するもの

緑酒とは

東京事変【緑酒】歌詞の意味を解釈!自由の価値とは?小さな頃描いた将来と直面する現実との違いに迫るの画像

「緑酒(りょくしゅ)」とは質の良い酒、美酒の意味。

「紅灯緑酒(こうとうりょくしゅ)」という四文字熟語で知られる言葉でもあります。

「紅灯緑酒」は歓楽街や繁華街の華やかさやそこでの贅沢な様子を表す熟語です。

歓楽街と聞いて思い浮かぶのは【歌舞伎町の女王】

椎名林檎の持つ妖しいイメージに「紅灯緑酒」という言葉はぴったりハマります。

しかしMV歌詞を見たところ【緑酒】には「紅灯緑酒」としての意味はなさそうです。

「ハレの日」を祝うMV

アルバム『音楽』のリリースを目前に5月にはMVも公開されました。

屋敷にメンバーがそれぞれ集まりご馳走を食べ美酒を飲む。

日本古来の文化が散りばめられた東京事変らしいMVです。

このMVはカレンダーをめくるシーンから曲が始まります。

「29」と書かれたページをめくり「1」と書かれたページが登場するシーンです。

このことからその日が3月1日であること、そしてその年が閏年であることがわかります。

以前から東京事変と閏年の関係は囁かれており、それを裏付ける非常に粋な演出になっています。

そしてそのカレンダーの「1」のページの下に書かれているのが「ハレの日」という言葉です。

「ハレの日」とは祭や儀礼などの非日常的な特別な日のことを指します。

対して日常のことを「ケの日」といいます。

その「ハレの日」にメンバーが集まってご馳走と美酒(緑酒)を飲んでいる、というのがMVの内容です。

MVは終始上品な和の風流に包まれていて、「歓楽街」のような要素は一切ありません。

つまりタイトルの【緑酒】は単に質の良い酒、美酒を意味していると考えられます。

そしてそれは「ハレの日」に飲むお酒のようです。

ではその特別な日である「ハレの日」とはどんな日を指しているのでしょうか?

この記事ではその辺りに焦点を当てて【緑酒】の歌詞を解釈していきます!

さておきお疲れ様

乾杯日本の衆
今日は今日でまあ一つ
美味しいかどうかはさておきだ各種生業お疲れさん

出典: 緑酒/作詞:椎名林檎 作曲:伊沢一葉

冒頭の歌詞です。

今日が「ハレの日」でないとしてもとりあえず乾杯しよう。

それが美酒かどうかはさておき、缶ビールでもハイボールでもいいから乾杯しよう。

と今日を頑張った全ての人に労いの言葉を投げかけます。

毎日毎日汗水流して働く日常。

決して満ち足りているとは言い難い日常。

そんな「ケの日」を今日も終えた人たちへひとまずの労いの言葉を冒頭で与えてくれます。

そしてこの後からこの現状、現代社会に対しての椎名林檎の想いが語られていきます。

現代日本への𠮟咤激励

思い描いた未来と現実