冷めやらない 目覚めない
未だ誰もが永久の夢の中へ
「ボクと踊りませんか?」
出典: 曼珠沙華/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
ふたりの恋は破滅的。
ですが桃源郷のような多幸感も同時に漂います。
3行目は低いまふくんの囁きボイス。
<どうせ後戻りできないのなら…>
ふたりは最後まで突き進むつもりでいます。
恋以外のすべてを捨て去ったような覚悟のある声。
自暴自棄でありながらどこかロマンチックです。
歴史に埋もれゆく悲恋
悲しみに響く波紋は
黄河の水底
恋い慕う 恋い慕う夢は
何時ぞやの泡沫
出典: 曼珠沙華/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
中国の歴史にはいくつもの短い恋の花が咲き、散ったことでしょう。
身分違いの恋はどの国にもどんな時代にも存在します。
しかしどんな命がけの恋もすべては儚(はかない)い過去。
その無常の虚しさをこの歌詞では歌っていると思われます。
まふくんの手招き
「来 过来一下」
そして心に背いて
誰が為に芽吹くの?
薄れずに 色味帯びていく
憂いと彼岸の花
出典: 曼珠沙華/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
1行目の中国語訳は「どうぞこちらへいらっしゃい」。
まふくんが私たちを桃源郷の恋物語へいざなっているのでしょうか。
曼殊沙華は死を思わせる花です。
<曼殊沙華が赤く色づく秋>=<恋の終わり(彼女の死)が近い>ということ。
恋と生命の終末が近づいてきているのをふたりは分かっているのでしょう。
それでも離れずにふたり寄り添い、あでやかに咲き誇っているのです。
まふくんのセリフが響く
―――咲けば散りゆく花のように
運命は変えられない―――
出典: 曼珠沙華/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
可憐な花、妖艶な花。
この世の春にはさまざまな花が咲き乱れます。
しかしどの花も永遠に咲き続けることはありません。
一瞬の花開くときを過ぎれば終わりを待つのみなのです。
悲しいですがこれが世の常。
そしてそれはふたりの恋についても同じこと…。
恋にすべてをかけるふたり
さあ、夢を 君の全てを
ボクに委ねて
堕落して? 何処までも落ちて
枯れ行く曼珠沙華
出典: 曼珠沙華/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
3~4行目は未来のない恋に身を焦がすふたりの姿。
とても切ない詞です。
「いつか終わる、もうすぐ終わってしまう…」
それでも短い間であってもふたりは逢瀬を重ねるのでしょう。
しかしふたりの関係はいつか世間に裁かれてしまいます。
そしてもしかすると命を落とすかもしれないのです。