MVで描かれる情景
イメージビデオ風MVでは、歌詞で描かれる情景とは、微妙に異なっています。
確かにところどころでインサートされる波打ち際や浜辺で海を見つめるシーンは歌詞を想起させるでしょう。
しかしメインとして展開されるドラマの背景は、異国のマーケットや遺跡、寺院などです。
MVの中の視線
MVの前半は渡辺美優紀がひとり異国の地を訪れ、マーケットや公園、寺院などを訪れていきます。
その表情は穏やかで笑みもこぼれています。しかし楽曲と重なると少し寂しげです。
その行く先々に現れるNMB48のメンバー達。彼女たちはただ渡辺をみつめています。
その姿に気づいた渡辺美優紀は少し驚いた表情を浮かべます。
目の前にあるいは視線の先に、異国の地で出会う少女達。
ここでのメンバー達は彼女の思い出が見せる幻か白昼夢のようにも見えます。
クライマックス
ターニングポイント
一つの結末
古い寺院を訪れる渡辺美優紀の前に再度現れる山本彩。彼女は渡辺の手を取り、駆けだしていきます。
そして二人がたどり着いた場所にはNMB48のメンバーが待っています。
そしてクライマックスになり、夜の空にメンバーでたくさんの熱風船を飛ばすのです。
ここでは明らかに「僕」は渡辺美優紀で「君」は山本彩でしょう。
同じグループの中、同志でありライバルでもあった渡辺と山本。
後半はMVの世界観を超え、NMB48というリアルな世界ともオーバーラップします。
MVの中のドラマが語るもの
この一連のシークエンスで何が語られているのか。もう少し読みこんでみたいと思います。
青と赤の衣装
ソロパートの歌唱シーンのあと、改札を抜けるシーンから彼女は青い服を着ています。
このときのNMB48の他のメンバーは渡辺美優紀が見た白昼夢のようです。
しかしホテルのシーンから赤い服になり、山本彩をメインとするNMB48の他のメンバーはより能動的になります。
後半衣装が印象的な赤に変わることでクライマックスに向かう一連のシーンはより非現実的なものになるのです。
赤の衣装は自らの夢に導かれたことを示しているようにも見えます。
それはヒロインである「僕」の夢でもあり、僕が想う「君」の夢でもあるかも知れません。
渡辺ともっとも関係の深かった山本彩が、彼女を「夢」の世界に導くのです。
空高く舞う熱風船に想いをのせて。
そして青い衣装に戻った彼女は「さよなら」の言葉を残し、ひとり去って行きます。