歌詞解説

ここからは「愚か者たち」の歌詞を解説させて頂きます。

映画の世界観はサウンドだけでなく、歌詞からも味わうことが出来ます。


生きにくい今日を 生きるすべての
漂流者たちで 騒がしい夜

出典: 愚か者たち/作詞:松尾レミ・いしわたり淳治 作曲:Glim Spanky

”生きにくい今日”というワードが出てきますが、その生きにくさを生み出しているのは人間です。

この歌詞の世界では漂流者と書かれており、人間はみな漂流者であると定義付けているようにも見えます。

アスファルト割って 芽吹いた花が
排気を吸って 街を睨んでいる

出典: 愚か者たち/作詞:松尾レミ・いしわたり淳治 作曲:Glim Spanky

筆者は、この2行の歌詞がこの楽曲の中で最も好きで、響いてきました。

生きにくさを表現するのが人間サイドだと書き辛いからか、花目線で作詞されています。

この歌詞がいしわたり淳治さんが作詞したものなら頷けますが、松尾レミさんが作詞したのであれば、凄いというより恐ろしいとさえ思ってしまいます。

この2行で、歌詞の冒頭にある生きにくさを全て回収しながらも、人間中心の世界の汚さや、GLIM SPANKYの無骨な感じも出ています。この2行に全てが詰まっている気さえします。

”アスファルト割って芽吹いた花”はとても逞しく、どんな花よりも美しく感じます。

そんな強い生命力を持って、苦しみながら芽を出してもまた苦しい日々が訪れるのです。

人間だって同じでしょう。トンネルを抜けた先に待っているのはさらに大きなトンネルかもしれません。

皆 涼しい顔装って
押え込んだ悪魔を飼いならす日々

出典: 愚か者たち/作詞:松尾レミ・いしわたり淳治 作曲:Glim Spanky

本当に自分が思っていることと、自分が表現することは必ずしも同じとは限りません。

それに、言葉で伝えられることには限度があります。むしろ欺いている人の方が多いのかもしれません。

あなたはどうですか?と統計を取ろうとしたところで、その答えすら悪魔を隠し、欺かれ、正しい答えは出てこないのです。それが現実です。

なあ 愚か者たちよ ヤケになんのは早いよ
もう一度だけ考えてみろって
なあ 愚か者たちよ
それが泣くか笑うかの分かれ道だ
右か左か お前なら さあどうする

出典: 愚か者たち/作詞:松尾レミ・いしわたり淳治 作曲:Glim Spanky

サビは”愚か者”に対して投げかけるような歌詞になっています。

ここで投げかけているのは誰なんでしょうか。正義の味方の声のように聞こえますが、同じように愚か者が吐き捨てているようにも聞こえます。

全体的に誰の目線で歌っているのか分からないような歌詞だったと思います。

筆者は「不能犯」を観ていませんが、映画を観ればエンディングで流れるこの曲の意味がどういう目線で歌われているかハッキリ分かるのかもしれません。

終わりに


いかがだったでしょうか。GLIM SPANKYの「愚か者たち」を紹介させて頂きました。

これぞGLIM SPANKYといえるようなカッコイイ楽曲で、ジャケットがとても似合って見えますね。

是非、シングルを通して聴いてもらいたいと思います。

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