全体的に「朝ANSWER」にぴったりな雰囲気のエンディングですが、「銀魂」らしさも健在です

後半の近藤勲が殴られる一瞬だけ、絵柄が"ガチ仕様"になっていますね。

もうひとつ遊び心が感じられたのが、ラスト。

万事屋に銀さんたちが入っていった後、建物が揺れてドタバタした雰囲気で曲が終わります。

この感じ、どこかで見たことがないでしょうか?

明言されていはいませんが、おそらくこれは国民的アニメ「サザエさん」のパロディです。

「銀魂」は提供クレジットの際も「サザエさん」風のパロディをやっています。

それを考えると、「朝ANSWER」を使ったEDのラストシーンもパロディの可能性が大。

そんな「銀魂」らしい"おあそび"を楽しみつつ、映像と楽曲を楽しんでみてください。

歌詞を解説

気づけば置いてけぼりの人生

流れに沿って生きてゆけばいい
逃げ場所見つけて 隠れちゃえばいい

顔色変えないで 頷いたふり
『なんとかなるよ』全部、問題は後に回したり

気づけば取り残されて
君の背中追いかけるばかりの 鳥になって

あの空に憧れ
雲を掻き分けて 光を探す

出典: 朝ANSWER/作詞:PENGIN 作曲:PENGIN+小高光太郎

さて、ここから歌詞をみていきましょう。

ゆるっと生きている様子が描かれているAメロ部分。

面倒なことがキライでやらなきゃいけないことを後回しにするタイプの筆者にはかなり刺さる内容でした。

なんでもかんでも真正面からぶつかっていくことが、いつでも正しいとは限りません。

逃げ道があったり近道があったりするなら、その道を選ぶのも賢く生きる方法のひとつです。

でもそればかりを繰り返していると、ふと顔を上げたときに見たくなかった現実が見えたりしてしまいます。

歌詞の4行目で"全部"と歌っていますね。

きっとこの主人公は手当たり次第、現実から目を背けてきてしまったのかもしれません。

その結果、5行目のように取り残されてしまったようです。

学校や恋愛、仕事……。

なんとなく問題を見て見ぬふりをしていたら、大きく遅れを取っていた。

こんなはずじゃなかったのに。

そんな体験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

そこで腐ってしまう人もいると思います。

でも主人公は、先を行く眩しい背中を追いかけようとしていますね。

"雲"は、これまで目を背けてきた困難や課題でしょうか。

厚く広がる雲を押しやって、真っ青な空に手を伸ばそうとしています。

ネガティブな気持ちも笑い飛ばす

朝になっても 霧が溶けずに
陽が昇っても 君は見えないけど

僕の世界に闇が誘いかけても
笑い飛ばして 光探すよ
今を楽しんで

謎だらけの意味が解けない
罪だらけの日々に愛をくれる

確かな今日と まだ見ぬ明日の
答え探しの旅に出る

その声を 聞かせて…

出典: 朝ANSWER/作詞:PENGIN 作曲:PENGIN+小高光太郎

光を掴むために立ち上がった主人公は、まだ雲の中を手探りで歩いているようです。

「朝ANSWER」というタイトルから想像する内容と少し違うかもしれませんね。

筆者は、タイトルから「朝になったら答えが出ている」。

そんな内容を当時想像していました。

でも実際の歌詞では、1行目にある通り、朝が来てもまだ暗中模索をしているんですね。

このあたりのリアリティが、多くの人の共感を呼んでいるんじゃないかと思っています。

寝て起きたらこの問題、いい感じに解決してないかな……。

そう思いながら眠りについたこと、ありませんか?

筆者は経験があります。

でも、起きたら問題は問題のまま、まだそこに転がっていてダメージを受けるんですね。

そのままネガティブな方に思考が転がっていきそうになりますが、主人公は笑い飛ばしています

さらに楽しもうとすらしていますね。

聴いていると、自然と「まだもう少し頑張れるかも」という気持ちが湧いてきます。

悩みを照らす

無縁の世界なんて あるのだろうか?
無念で終えるより貫けばいい

裏切られても 傷つかないぐらいの距離
冷めた関係が寂しかったり

納得がいかなくて
明日の自分、本当の自分じゃないようで

何かに脅えて
熱い想い何処に辿り着ける

君にとってのチカラになりたい
たった一人でも声を上げたい

もし誰か無邪気に 僕の背中に指を指しても
強く 立ち上がれよ 曝け出せ

出典: 朝ANSWER/作詞:PENGIN 作曲:PENGIN+小高光太郎

2番の歌詞です。

人間関係ややりたいことのなかで、空回りしているような印象を受ける歌詞が続いています。

自分の心を守るためにみんなにいい顔をしたり、深入りしないように本音を隠したり。

自分で望んでそうしているはずなのに、ふとした瞬間孤独を感じてつらくなっているようです。

こんなの自分じゃない、と思い描いていた理想と現実とのギャップに苦悩しているのかもしれません。

誰もがどこかで一度は経験したことがある状況ではないでしょうか。

サビでは、悩み苦しむ人=君を、なにがあっても助ける、味方でいると勇気づけています。

悩んでいるときって、世界にひとりぼっちになってしまったような閉塞感と孤独がつきまとうものです。

それを一気に払拭する太陽のようなメッセージが、このサビには込められているように感じます。

いつか明るい道へ

変幻自在で厳選したい先は
いったい何処が安全地帯!!

出会いの中で信じていたいのさ
踏み堪えるぜ 限界はない

LOW HI MIDDLE 合わせたなら
勝敗挑む 間違いは無い

get up get up さぁ朝になれ
決意拳の中 walk this way!!

出典: 朝ANSWER/作詞:PENGIN 作曲:PENGIN+小高光太郎

ラップパートです。

"変幻自在"や"安全地帯"、"LOW HI"や"勝敗"など韻を踏んでいますね。

どんな道でも、歩いていく限り障害はつきものです。

それは小さすぎて気づかない石ころほどの些細なものかもしれないし、見上げるほど高い壁かもしれない。

どんな障害が目の前に現れても、決意さえ揺らがなければきっといつか道は開ける

暗い夜がやがて朝を迎えるように、真っ暗な道もいつか明るく照らされるだろう。

筆者は、このラップからそんなメッセージを受け取りました。

大切なものは胸の中に