楽曲について
「奇跡は間に合わない」はAKB48のチームK劇場公演『チームK 6th Stage「RESET」』にて歌われた楽曲です。
歌唱ユニットは野中美郷、宮沢佐江、米沢瑠美(松井珠理奈)の三人。
2010年3月から始まった公演は二年半以上の長きに渡って続きました。
その内容は他のチームの公演でも使用されています。
この公演は公演期間が約2年7か月となり、AKB48の劇場公演の最長公演記録を更新した。公演回数は全205回(研究生・昇格メンバーのみの公演60回含む)。
この演目は、AKB48の研究生公演、SKE48チームSの4th公演、NMB48チームMの2nd公演、AKB48横山チームK公演、SNH48チームSIIの4th公演、AKB48込山チームK公演で使われている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/チームK_6th_Stage「RESET」
また、公演の楽曲を納めたCDも2010年8月7日に発売されています。
そこでは野宮、宮沢、米沢のオリジナルメンバーによって歌唱された本楽曲を聴くことが可能です。
本楽曲はバス停で運命の人を待ち続ける主人公の姿が描かれています。
「奇跡は間に合わない」というタイトルや楽曲にはどういう意味が込められているのでしょうか。
歌詞の意味を深く考察していきましょう。
バス停の恋
君を待つ
風色バス停
君を待っていたって
絶対 来ないと
わかっていた僕さ
出典: 奇跡は間に合わない/作詞:秋元康 作曲:宮島律子
舞い落ちた桜の花びらを風が運んでくる、そんな暖かな春の日。
物語の舞台はとあるバス停です。少年が一人、何かを待ちわびるようにして立っています。
どうやら彼には会いたい人がいるようです。
バスを待ってるふりをしながら、その人が来るのをずっと待っています。
ひたすらに待ちながらも、主人公は「君」とはおそらく出会えないと思っているようです。
それでも彼は立ち続けます。
もしかしたら会えるかもしれない、そんな奇跡を信じているのです。
出会いの日
小高い丘の上
忘れ物のようなベンチ
帽子が飛ばされて
あれから ずっと探してた
出典: 奇跡は間に合わない/作詞:秋元康 作曲:宮島律子
彼女との出会いの光景が思い出されます。
ぽつんと佇むベンチに一人の女性が座っていました。
ふと風が吹き、彼女の帽子が舞い上がります。
いたずらな軌跡を描いて、それは偶然にもその場に居合わせた主人公の下へ飛んできたのです。
風が運んできた運命のような出会いでした。その瞬間、主人公は彼女に心奪われてしまったのです。
その日から、主人公の頭から彼女のことが離れません。
いつかまた会えないだろうか。
そう思いながら、彼は今日までの日を過ごしてきました。
届かない思い
奇跡は間に合わないだろう
愛しさは いつだってせっかちなものさ
バスを何台 やり過ごせば
運命が追いつくの?
未来の恋人
出典: 奇跡は間に合わない/作詞:秋元康 作曲:宮島律子
ここでいう奇跡とは、このバス停で主人公と彼女が再び出会うことでしょう。
バスを待っている主人公の下に、偶然にもあの日出会った彼女が現れる。
そんな光景を夢見て、主人公はバス停に立ち続けます。
ですが、やってくるバスをいくら見送っても、彼女が現れることはありません。
そうして今日も最後のバスが通り過ぎていってしまいました。
恐らく主人公は彼女のことをほとんど知らないのでしょう。
住んでいる場所も、名前さえも分からないかもしれません。
言ってしまえば二人はただの赤の他人です。
ですが、彼の恋心はどんどん妄想を膨らませていきます。
会えない彼女への思いが募る度、愛しさがこみ上げていきます。
何も知らない彼女のことがすでに恋人のように感じられてくるのです。
いつか、本当に彼女が自分の恋人になる。
そう心をときめかせながら、明日も主人公は彼女を待ち続けるのです。