1番のサビの歌詞で、楽曲タイトルにもあるハイヒールが出てきます。
ここでのハイヒールとは何を表しているのか考えてみましょう。
ハイヒールの靴を履く女性といえば、大人の女性を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
慣れないと歩くのもおぼつかなくなってしまうハイヒールを綺麗に履きこなす女性はスマートな印象です。
年下の主人公からすれば、高嶺の花のような人なのでしょう。
「届かない場所」というのは物理的な距離として考えられますが、心の距離とも捉えることができます。
その人に自分が釣り合りっておらず、どれだけ側にいても付き合えない悲しさが滲んでいるように感じられます。
知らないふりをしたい存在
もしもあなたの側に寄り添う光があっても
見ないフリして愛させて?
バイバイは言わない あと少し……
出典: ディアハイヒール/作詞:中島健人 作曲:森大輔
魅力的な女性には、すでにパートナーがいるというのは往々にしてあることです。
主人公の憧れの女性にもそういう相手がいるのかもしれません。
実際にパートナーがいるのかどうかはわからないけれど、今は知らないふりをさせてほしいのです。
知らなければ女性と一緒にいることに罪悪感を抱いたり、この恋を諦めたりしなくてもいいのですから。
主人公がこの恋を諦められない切ない気持ちが表現されている歌詞です。
互いに変化していく心
少しずつ寄り添っていく
生まれた時間のズレは 愛する対象を変える
間違いを繰り返して 運命は寄り添って行く
出典: ディアハイヒール/作詞:中島健人 作曲:森大輔
恋愛において、年の差というのは大きな障害になります。
あまりに互いの年が離れていると価値観の違いやジェネレーションギャップを感じてしまうものです。
特に、価値観というのは人生の中で積み重なってできるものだからこそ、なかなか変えることができません。
それらをお互いに折り合いをつけるというのは難しく、衝突して喧嘩をしてしまうこともあるでしょう。
だからこそ年の離れた相手との恋愛は難しく、自然と恋愛対象は年の近い相手になるのではないでしょうか。
しかし主人公はそんなことではめげずに憧れの女性へアプローチをかけています。
その中には失敗してしまうことも多くあったのでしょう。
そもそも相手にパートナーがいたなら主人公との関係自体が“間違い”です。
障害がありながらも諦めないで思い続けてくれる主人公に、相手も少しずつ絆されているように読み取れます。
ほぐれていく心
心の雪解けが今突然起きてる
あなたのせいだよ
出典: ディアハイヒール/作詞:中島健人 作曲:森大輔
この部分は、最初に登場する「心の~」という言葉が印象的な歌詞です。
主人公は憧れの女性に出会い、心を奪われたことで気持ちに大きな変化が起こっています。
もしかしたら元々は恋愛に対してどこか冷めた風に考えていたのかもしれません。
しかし、女性に出会って恋を知ることで様々な感情が渦巻くようになったのではないでしょうか。
そばに居られると嬉しいし、しばらく会わなければ寂しいという風にその女性に向ける感情が増えているのです。
それは春に氷が溶けて雪解け水が溢れるように、感情が溢れ出てくるような感覚ではないでしょうか。
そうした変化が起こるのは、その女性に会ったせいだと告げているのです。
もう一歩近づけたい距離
気づかないうちに伝わる想い
大人びているあなたにさ青い風は届くかな
知らず知らずに伝えてた
大嫌い? 大好き?
僕わからないよ
出典: ディアハイヒール/作詞:中島健人 作曲:森大輔
2番のサビでは気持ちが伝わっているのか不安になっている様子がうかがえます。
憧れの人からは子ども扱いされているのでしょう。
「青い風」からは青春という言葉が連想できます。
隠しきれていない恋心は、本人も自覚しないうちに相手へと伝わっていたのです。
その思いで女性の心を揺さぶることができれば、関係を良い方向へ進めることができるかもしれません。
しかし、相手が自分をどう思ってくれているのかわからず戸惑っています。