『君は天然色』大滝詠一は詞が付けられないと断られていた！？誕生秘話を徹底紹介！

1981年3月に発表された、7作目のシングル。

アルバム「A LONG VACATION」に収録され、現在まで多くのカバーやタイアップのつく、大滝の代表曲のひとつです。

耳に残りやすいメロディ、明るい曲調から多くのCMに使用されるこの楽曲。

一覧にまとめましたのでチェックしてみてね。すべてCMソングです、あの伝説の松嶋菜々子さんの生茶CMもこの曲でした。懐かしすぎる。

• ロート製薬「新・Vロート」（1981）
• キリンビバレッジ「生茶」（2004）
• アサヒビール「アサヒすらっと」（2010）
• スズキ「アルトエコ」（2011）
• サントリー「金麦糖質75%オフ」（2012）

もちろんカバーもされまくっているこの楽曲。

アーティストだったらきっと歌いたくなる魅力にあふれているんでしょう。

主なものをまとめましたので、一覧でチェック！

• ゴスペラーズ
• 堂島孝平
• つじあやの
• 大貫妙子
• 新山詩織

ソフト化はされていませんが、新山詩織さんが配信限定でリリースしたバージョンが最高です。ご参照あれ。

それでは、どこか洋楽っぽさを感じさせる歌詞を見ていきましょう。

大滝さんはキーも高めなので、女性が歌っても最高に可愛いのよね。

めちゃくちゃ明るい曲調なので惑わされがちですが、この曲は“昔の彼女を懐かしむちょっと情けない男の歌”です。

ただし、その内容は実は表面的なもの。

実はこの歌詞、切ない裏話があります。歌詞を読み解きながら見ていきましょう。

「モノクローム」、もちろん白黒のことですが、これは大瀧の友人が放ったセリフから引用したものです。

その友人は、最愛の妹を失い、ひどく落胆していました。「彼女を失って、まるで世界はモノクロになってしまったようだ」と、彼は大瀧に漏らします。

そう、冒頭に出てきた「ポラロイド」はいわば遺影だったのです。

この歌詞を書いたのは松本隆さん、前述した黄金コンビの片割れであり、かねてよりのバンド仲間であり、大瀧の最高の友人です。

そう、妹を失った友人とは、松本隆さんのことだったのです。

妹を失い、悲嘆に暮れた彼は長いスランプに陥ります。

そんな松本に、大瀧は作詞を依頼します。もちろん断られますが、どうか聴いてくれ、と託したのは、この明るくきらめくような楽曲だったのです。

もちろん、まるで妹のためのように書くのは松本さんの流儀ではありません。

ですからありふれた失恋ソングのラッピングを施して、妹への想いを綴ったのでしょう。

モノクロームの世界に、もう一度色を付けてほしい。そう願う相手は、きっと妹さんだったのでしょう。