両A面シングルの魅力に迫る
本記事ではZARDの「翼を広げて/愛は暗闇の中で」をご紹介していきます。
こちらは2006年のリリース以来、2年ぶりとなる両A面シングル。
アニメの主題歌や未発表曲の音源が収録されている、非常に豪華な内容です。
これらの概要を紐解きながら、それぞれの楽曲の魅力に迫ります。
またYouTubeのZARD公式チャンネルでは作品のMVが公開中です。
是非、当記事と一緒にご覧下さい。
シングル概要を解説
全4曲!インストバージョンも収録
まずご紹介したいのは収録曲です。
1曲目は「翼を広げて」、2曲目には「愛は暗闇の中で」がレコーディング。
どちらもタイアップに起用され、誰もが一度は耳にしたことのある名曲です。
また3、4曲目にはそれぞれの楽曲のインストバージョンが収録されています。
インストとは歌声が入っていない、楽器演奏のみの音源のことです。
メロディラインを聴きこむのもよし。自宅カラオケに使うもよし。
1枚のCDで様々な楽しみ方ができるでしょう。
ジャケット写真に隠れたエピソード
ここでは両A面シングルである本作のジャケット写真について言及します。
ジャケット写真とはCDの表紙を飾る画像のこと。手に取ると一番に目に入る部分です。
今回は「翼を広げて」「愛は暗闇の中で」という文字と共に、とある人物が写っています。
ZARD作品の多くは、ボーカルである坂井泉水さんの姿が映し出されているのが特徴です。
では数あるジャケット写真の中で、他の楽曲と違う点はどこにあるのでしょうか。
それはレコーディング風景の一部を切り取った写真であること。
本曲の収録風景がよく分かる写真となっています。
またカメラ目線で画角におさまっているのも特徴の1つです。
他作品では目線を外したショットが多いZARD。貴重な作品といえるでしょう。
翼を広げてを解説
未発表の名曲
ここからは収録曲について詳しく解説していきます。最初にご紹介するのは「翼を広げて」。
本曲は旅立ちがテーマとなったラブソングです。
この曲でなにより欠かせないのは、セルフカバーというポイントでしょう。
これまでも他アーティストに提供した作品を音源化してきた彼女たち。
しかしセルフカバー作品としては、2008年まで披露されることはありませんでした。
このようにかなり期間が空いたため、ファンにとっては待ちに待った未発表曲。待望のCD化となりました。
ストーリーとメッセージ
本曲は主人公がこれまでの思い出を振り返りつつ、旅立ちと向き合っていくストーリーです。
過去の輝きと現在の孤独の対比が楽しめる本作。
ここから「翼を広げて」における旅立ちは、別れを意味していると考えることができるでしょう。
また主人公である男性は彼女の面影を追いかけていることから、未練があることも分かります。
別れが決まってから後悔してももう遅い…。
本曲には今を大切に生きよう、というメッセージが含まれているといえるでしょう。
蘭と新一
本曲は毛利蘭と工藤新一、2人の関係性を歌っていると考えることもできます。
まず以下の歌詞をみてみましょう。
真夜中 声が聴きたくなって
無意識に ダイヤル回す
だけど… 話す勇気がなくて
切なさ 抱きしめた
出典: 翼を広げて/作詞:IZUMI SAKAI 作曲:Tetsuro Oda
ここでは電話ボックスから変声機を使って電話をかけようとするコナンの姿が想像できます。
蘭に対して特別な感情を抱いている彼。しかし本当のことを伝えることはできません。
大切に思うが故の悩みは、後半の2行に表現されています。
新一として寄り添うことはできませんが、コナンとして蘭を支えます。
視聴者は2人が両想いであることを知っていますが、本人たちに確信はありません。
こちらも男性目線で語られる歌詞とリンクする部分ですね。
上記のように「翼を広げて」は様々な見方が楽しめる楽曲といえるでしょう。