現代社会の用洗剤のような情報の波に洗い流されることがなかった自分の心

夢が夢のままで終わらないように目覚まし時計をかけていた
何時何時明日が来たっていいようにポケットから手をだしていた
雲の上に雲があって奇しくも明日の天気が決まってるとは
知らなかったん 知らなかったんだ

周り周りの回り回るトレンドと空洞なコメントで汚れた
強洗剤では落ちない繊細な疑心暗鬼と偽善探知機

出典: 暖かい都会から/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

渦巻く「回り回るトレンド」や、空っぽの「コメント」で「強洗剤」のように個性や思考を洗い落としてしまう現代社会。

例外ではなくそれは自分の「周り」にもあったものの、テレビなどの「明日の天気」を信じないように、「繊細な疑心暗鬼」を持っていた自分は、「トレンド」や情報の波に流され個性を失わずに済んだ。

そして、「偽善探知機」でもあった自分は誰かの「コメント」に自分の思考が左右されることもなかったといっているのですね。

だからこそ、ここまで、自分のままで生きてくることができ、今、こんな歌詞が書けるといっているのかもしれません。

順番待ちの模範解答者に順番が来た時...これからどうなっていく?

本音なんて置いておけ余計なお世話だって蹴って時間が経って這って
いつしか本当のところ本物の心なんてものは無くなっていた 浅はかだ
本命なんて放っておいでよって腑抜けた声で誘って間抜けに反省、懺悔
左右前後運動の多少面倒臭い過剰な愛としか思えない頭が仇になった
雑踏の中で揉まれたままシャットアウトしてそっと目を閉じた

ビルとビルを駆け抜けるありふれた新都心部で蜘蛛の糸を待つ順番待ちの模範解答者

出典: 暖かい都会から/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

自分が生きるために雑踏に溶け込みながらも、心の中では周りをシャットダウンして自分を守りながら順番を「蜘蛛の糸を待つ」ように待っていた。

それは「順番待ちの模範解答者」の姿だったのだろうと振り返る歌詞ですね。

周りに流されずに辛抱強く待ち続けた結果、音楽の世界へと帰ってきた小池さんと、tetoは、これからどんな音楽を作り出していくのでしょうか。

そんな期待が膨らむ「暖かい都会から」の歌詞でした。

おわりに

dystopia
teto
UK.PROJECT

tetoの「暖かい都会から」を紹介しましたが、いかがでしたか?

歌詞解釈を通じて「暖かい都会から」がバンドにとって大切なファーストミニアルバムの、リード曲を担っている理由を考えてきました。

それはきっと、tetoのこれまでを象徴し、そして、これからに期待させるような歌詞の楽曲だからではないでしょうか。

また、アルバムのタイトルは「dystopia」で意味は、理想郷であるユートピアに対するディストピア、つまり、暗黒郷というような意味になっています。

「dystopia」というタイトルには社会のメインストリームに地位を確立した人々が住みよい理想郷、つまり「自称暖かい都会」だと思っている場所は本当は暗黒郷なのではないかという問いかけが含まれているのでしょう。

そういった意味でも、「暖かい都会から」がこのアルバムにとって、また、tetoにとって重要な一曲だということがわかりますね。

まだ聴いたことがない人には是非聴いてほしい一曲です。

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