「アメアガリ」は「刹那」のカップリング曲

特に注目されず

「アメアガリ」は、GReeeeNの10枚目のシングル「刹那」のカップリング曲です。

2004年に結成されたGReeeeNは、2008年にドラマ主題歌が大ヒットして一躍有名になりました。

「刹那」はその翌年にリリースされて大ヒット。

しかしながら、カップリング曲である「アメアガリ」は特に注目されませんでした。

アルバム収録もベストアルバムの『いままでのA面、B面ですと!?』のみ。

ちょっと変わったリズムのこの楽曲は、なかなかクセのあるものに仕上がっています。

でも、その歌詞をよく聴くと共感できる部分がたくさんあります。

共感できる歌詞

では、ここから「アメアガリ」の歌詞を順に追っていきましょう。

ちょっと分かりにくい部分もありますが、よく聴くと主人公の心の変化がわかってきます。

きっと多くの人が経験済みの「結局うまくいかなかった恋」の物語です。

共感できるところ、きっとあるのではないでしょうか。

後悔先に立たず

雨降り少し肌寒い日に ため息ひとつ まだ痛い耳
君の泣いた声 心刺さり 明け方の空色はやけに暗い
僕ら近づいてはまた遠ざかり 人の心の移り変わり
2人楽しかった日々振り返り あの時の2人は永遠に永遠に、、、

出典: アメアガリ/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

雨が降っていて肌寒い日。

まだ夜が明けようとしてる薄暗い時間帯のこと。

ため息をつきながら一人寂しく歩いているのはこの楽曲の主人公です。

傷つけてしまった「君」の泣き声が耳について離れない。

痛んでいるのは果たして耳でしょうか。

きっと、痛むのは胸です。

どんなケンカをしたのか、ここではまだハッキリとはしません。

ハッキリしているのはこれが何度目かのケンカであり、主人公が後悔しているということです。

ケンカをしては仲直り。

でも、今回は少し深刻な事態なのかもしれません。

彼女まで傷つけた

窮屈な日々 憂鬱になり 人への優しさを少しなくし
助けてあげなくちゃいけないもの 忘れてくだまく冷たい心
誰よりも大事にしなきゃ いけなかった 君にまでつらくあたった
同じように思いのままに 当り散らした僕がいた

出典: アメアガリ/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

毎日窮屈な思いで生きていると、人に優しくなんてできません。

誰だってそうです。

憂鬱な気分でいるときは、困っている人を助けるどころか逆に困らせてしまったり。

そのうえ主人公は大切な彼女にまでつらく当たったりしてしまいました。

彼女はこの主人公に優しく接してくれたはずです。

だって、愛する人だから。

でも、他の人と同じように傷つけてしまった。

きっと彼女だったら何を言っても許してくれるだろうという「甘え」があったのでしょう。

「アメアガリ」を待っている

雨の正体

振り返れば目の前の瞳から こぼれた一粒の涙に気付く
キツく当たることしかできない自分に聞く耳持たず泣き崩れている
いつからか鉄の様冷たい姿 気付かないうちに積もったくだらん
プライドも意地も全ていなくなれ 2人の間かかる虹見えるまで

出典: アメアガリ/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

ここからは、さっきまでの情景。

彼女に背を向けながらひどい言葉を投げつけている主人公。

ふと振り返ると、そこには大粒の涙を流している彼女。

彼女は、そのあと堰を切ったように泣き出しました。

それはそうでしょう。

落ち込んでるのをわかっているから彼女は主人公に優しくしていたのにわかってもくれない。

それどころか、もっともっと次々とひどい言葉を投げつけてくるのです。

泣かずにはいられません。

でも、その涙を見て主人公はハッと気づきました。

自分がいつのまにか鉄のように冷たい男に成り下がっていたことに。

くだらないプライドや意地にこだわっていたつまらない自分に。

でも、そのくだらないプライドや意地を自分ではうまく捨てきれない。

本当に情けない男です。

ふたりの間に降り注いだ雨。

それは彼女の涙でした。

どうすることもできない主人公はふたりの間に虹が出る「アメアガリ」を待っているのです。

「アメアガリ」はどこに