Check the micro
上と下の瀬戸際に
あぁ なんか上機嫌だ 攻めたいかも
どうしたって待てないかも
迷いは一寸 それならいっそ
Let's get going
上上上機嫌で攻めたいかも
そう決めて走りだそう
知らないことも
知らないままゆこう
出典: Ca Va?/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
“マイクをチェックして”
“さあ行こう”
気分の上がり下がりについて話しているのでしょうか。
歌っている内に主人公は気分が上向きになってきたようです。
歌詞から想像してみましょう。
今すぐに騒ぎたい、楽しみたい気持ちでいっぱいになりますが、夜まで待たなければいけない…
ソワソワしているうちに待ちきれなくなった主人公は、全てを放り出して駆け出すことに決めました。
悩みの解決は諦めて、とりあえず人生をエンジョイすることに。
衝動に任せた行動ですが、時にはそんなことも必要だと言いたいのかもしれません。
ここで訴えているのは1度きりの人生で本当に大事なのは行動ファーストであるということです。
人間はなまじ思考力がある生き物ですから、大人になればなる程どうしても論理や思考といったものが邪魔します。
しかし、人間は本来猿から進化した「感情」の動物であり、実は感情の部分で意思決定がされているのです。
非常に現代的なメッセージが含まれており、この短い歌詞の中に現代社会の複雑さに対する風刺が歌い込まれています。
現代人は物事の意味を余りにも複雑に考えすぎた結果として、鬱病その他諸々の精神病を患うようになりました。
しかし、それは理性が発達しすぎた弊害であって、本来は自然の一部に過ぎない生き物なのです。
今を生きる現代人を縛り付けている柵を全て取っ払って前に進んでいく力が大事であると歌い込んでいます。
表面上シンプルに見えて、実に深い示唆に富んだ歌詞なのではないでしょうか。
前向きな言葉が並ぶ
Love 君ならできるよきっと
風が吹くように いつも通りに
Feel 高鳴る気持ちが宙に舞う
気にしない 気にしないで
C-C-C-C-Cmon Ca Va?
出典: Ca Va?/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
主人公はそんな過去の経験からか、「君」に対しても楽観的なアドバイスをします。
自分の気持ちに正直になって、リラックスして過ごした方が良いと。
悩みはとりあえず置いておいて、別のことに意識を向けて楽しむ。
心配性な人は難しいかもしれませんね。
でも、ずっと考え続けていると心が落ち込むばかりなので、ちょっと無理やりにでも別のことへ目を向けるのが必要な時もあります。
少し問題から離れて過ごすことで、解決策が浮かんだり「こんな小さなことで悩んでいたのか」と気づくことも。
この後の同じ歌詞が続く部分は省略させていただきます。
ここで歌い込まれていることは2つ。
1つが「思考の枠」を外すこと、そしてもう1つが「身体の反応」を大事にすることです。
考えすぎて行き詰まってしまう人のほとんどは既存の常識やセオリーに囚われてしまう所に原因があります。
そういう時は普段と全く違うことをしてみたり、目新しい場所に行ったりすると新しい気づきが得られるのです。
そして2つ目に「高鳴る気持ちが宙に舞う」にあるように、心…。
もっといえば身体の反応をこそ大事にする大切さを歌っています。
人間、頭で考えたことは簡単に嘘をつきますが、自身の体や心は決して嘘をつきません。
その体の反応に対してどれだけ正直に、素直に生きていけるかが大切であるかということをここでは歌い込んでいるのです。
そう思って聞けば聞くほど、実は現代人の潜在意識に凄く深く刺さる言葉になっているのではないでしょうか。
ビッケブランカの伝えたいメッセージ
とにかく気にし過ぎない事
気にしない 気にしない
(Don't worry man Don't worry man)
気にしない 気にしないで
しかたないんです 段違いなんです
しかたないんです 段違いなんです
しかたないんです 段違いなんです
しかたないんです かんちがいなんです
出典: Ca Va?/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
“(心配しないで君、心配しないで君)”
英語でも「心配しないで」と呼びかけている主人公。
その後の「~です」が続く歌詞は「君」が返事しているように思えます。
「君」は生まれつきの性格がとても心配症で、いつも悩みを抱えている人物なのかも。
二人の掛け合いと思うとちょっとクスっとくる部分ですね。
どうしても「いつも人に責められている気がする」と謝ることがクセになっている人もいます。
そんな人を「被害妄想が強いだけ」と切り捨ててしまうのは残酷です。
ついつい自分でも分かっているけれど、心配してしまう悩んでしまう。
過去の人生経験も影響してくる事柄だとは思います。
そんな繊細な人へ手を差し伸べているとも受け取れる内容だと思いました。
そしてもう1歩解釈を深めていくと、これは同時に複雑な現代社会を生きる我々への力強いメッセージとも取れます。
上記してきたように、とにかく我々は必要以上に物事を難しいと思い込む社会の中で生きているのです。
ここで表現されている「君」は特定の相手だけではなく広範囲での心配性な現代人も含むのではないでしょうか。
そういう人達に向けて心配しすぎず、もっとシンプルな思考で世の中を生きていこう。
そんなメッセージを送っているのです。
人生において、本当に大切なものはそんなに多くはなく、心配をやめることで生き方はどうにでもなります。
思考の結果が現実になるのであれば、思考のあり方を変えることでもっと現実が楽になるということです。
その逆転の発想をフランス語・英語・日本語の3つを総動員してメッセージとして発しているのでしょう。
人は支え合って生きるもの
Seul et j'aurai besoin-besoin de quelqu'un.
Je chante. Je chante.
出典: Ca Va?/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
“一人だと私は誰かが必要になる
私は歌う 私は歌う”
最後にそんな主人公も「一人ではいられない」と歌って終わります。
主人公にとって「歌う」ということは、お互いを思いやる・寄り添い合う相手を見つける行為なのかも。
また、そんな孤独な人へメッセージを送る方法とも受け取れます。
これは、ビッケブランカさんの音楽に対する姿勢を表しているとも考えることができそうです。
最後に
心配性な人へ寄り添う曲
『Ca Va?』は心配性な人へ向けて「一人じゃないよ」と寄り添う曲でした。
明るい応援ソングかと思いきや、優しいメッセージも込められているようです。
元気が出る曲なので、落ち込みがちな時に聴いてみてくださいね。