Bsus4 B Badd9 B  Bsus4 B Badd9 B
人  に触れていたいと 思 う 事を 恥じて
E B  F# B  Eadd9  B
鳴咽さえも 噛み殺して よくもまぁ
C#m7  F#  B Eadd9 B Eadd9
それを誇りと呼んだモンだ   あぁ

出典: Title of mine/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

押し殺していたけれど、本当は「人に触れていたい」と思っていたんです。

孤独でいるのが「誇り」。カッコいいことのように思っていて、そうしてきたけど、やっぱり違った。

今までだって、本当は寂しかったり辛かったりした日もあったのに、それすらも押し殺してきた、いびつな自分に気付きます。

忘れていた大切なこと

Bsus4 B Badd9 B Bsus4 B Badd9 B Bsus4
この 震えた喉 に  本  音を 尋 ねた ら
B Badd9 B Bsus4 B Badd9 B
声も震え ていて ちゃんと聞こえなかった

Eadd9 B  C#m7 B Eadd9 B C#m7 B E
差し 出された手を  丁寧 に断ってきた
B  F# B Eadd9  B C#m7
雀が鳴く様に 気にも止めず 唄ってきたけど
F#
気付いたら

出典: Title of mine/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「誰かに触れたいっていうのは本当かい?」と自問自答するんですが、もう本音すらはっきりわからないくらい、心は疲れていたんでしょう。

これまで、孤独を選んできたことに対して何にも「気にも止めず」にいたけれど、気づいたら「君に触れていたい」と思っていた。

Bsus4 B Badd9 B   Bsus4 B Badd9 B
君 に触れ ていたいと 思 う 俺は 何だ!?
E B  F# B
今になって 思い知った
E B  C#m7  F#
大切な事を 唄い忘れていた

出典: Title of mine/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

そんな矛盾した行動をとってしまったのは、どうしてだったんでしょう。

その理由を「今になって」ついに「思い知」ることになります。

G#m
孤独を 望んだフリをしていた
E
手の温もりは ちゃんと知っていた
C#m  F#   D#  G#m  F# B   C#  F#
その手に触れて いつか離れる時が来るのが恐かった

人に触れていたいと 唄っていいかい

出典: Title of mine/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「孤独を望んだフリをしていた/手の温もりはちゃんと知っていた/その手に触れて いつか離れる時が来るのが恐かった」

人はいつか別れるもの。

それは引っ越しかもしれないし、進学かもしれないし、喧嘩かもしれないし、あるいは死かもしれません。

でも、出会いには必ず、何らかの形で別れが訪れます。出会った瞬間に、別れのカウントダウンは始まります。

そうやって傷つくことがどうしようもなく恐くて、それならいっそ出会うことをやめよう、孤独がいい…と、選んだ「フリ」をしていた。

だけど本当は、ちゃんと人の温かさを知っていたんです。

人と触れ合う温かさは、いずれ来る別れで傷つくことを恐れて、諦められるようなものじゃなかったんですね。

そうやって絞り出された「人に触れていたいと 唄っていいかい」。

シンプルで、飾っていないのに、なんて重く心に響く言葉でしょう。

恐い、それでも

Bsus4 B  Badd9 B  Bsus4 B  Badd9 B
奪い合ったり 騙し合ったり 些細な事で 殺し合ったり
Bsus4 B Badd9 B   Bsus4 B
触れてみれば   離れたり 恐くなったり
Badd9 B
だけど、それでも、

出典: Title of mine/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

人と人が触れ合えばこそ、奪い合い、騙し合い、殺し合い、そんな恐ろしいことも怒り得ます。

こちらが触れようと近づいたら嫌われてしまうことだってあるでしょう。

人と人が触れ合うことに、1ミリも恐れを感じないなんて無理なのかもしれません。

だけど。それでも。恐い気持ちはなくならないけれど、人に触れたい。

Bsus4 B Badd9 B  Bsus4 B Badd9 B
 人 に触れていたいと 願 うヒトが好きだ
E  B   F# B
鳴咽されも タレ流して
E  B  C#m7   F#
何度となく すがりついて 傷ついて

Bsus4 B Badd9 B   Bsus4 B Badd9 B
君  に触れていたいよ 名 前を呼んでくれよ
E  B  F# B
誰も居なくて 一人なら
E  B  C#m7
こんな歌を唄う俺の
C#m7 F# Bsus4 B Badd9
生きる意味
 B
ひとつもない
Eadd9 B Eadd9
あぁ

出典: Title of mine/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

人に触れることの恐れを受け入れて、その上で「好き」とすら歌います。

恐がりな自分を受け入れて、時に傷つくこともあるだろうと覚悟を決めて…そうしてやっと吐き出すことができた感情です。

シンプルな言葉ですが、壮絶な葛藤の果てに生まれたこの「好き」。ここではにおい立つように生々しく、ずっしり重く、温かく、美しく響きます。

人と触れ合うことで傷つき、嗚咽を漏らしたり、すがりついたりする姿も、人と触れ合おうとすればこそ。

「みっともない」と言う人もいるでしょう。でも、人と触れ合うことを諦めてしまうよりもずっと強く、あるべき姿のようにも思えます。

最後は、やっと腹の底から出てきた本音。

「君に触れていたいよ 名前を呼んでくれよ」

「一人なら/こんな歌を唄う俺の/生きる意味/ひとつもない」

一人なら、歌を唄う意味すらない。これは、誰かに届けたくて唄っているんだよ、という風に感じられます。

おわりに

このアルバムに収録の「メロディーフラッグ」は、負傷から一時的に記憶障害になってしまったスタッフに贈った歌ですし、

「ベンチとコーヒー」ベースのチャマ(直井)に贈った歌。

「Title of mine」のラストで叫ばれる「誰かのために唄いたい」というメッセージは、いかにも藤原基央本人の本音のように聴こえます。

裏を返せば、この曲を聴いている人は、BUMP OF CHICKENに触れてくれた、ともとれるわけで。

当たり前のことですが、聴き手なくして成立しないのが音楽という業界。

そう考えるとこの歌は、どんな状態であれどんな形であれ、BUMP OF CHICKENに触れてくれた人に対する感謝のようにも聴こえます。

なんて、考えすぎでしょうかね。

とにもかくにも、1996年に結成されて、2018年で結成22年を迎えたBUMP OF CHICKEN

日本のロックシーン、ひいては音楽シーンを牽引する存在であり続けた彼らの歩みは、聴き手が触れる手を伸ばす限り、まだ続いていきそうです。

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