キャンペーンソング
毎年様々なアーティストによって名曲が生み出される『FM802×TSUTAYA ACCESS!』プロジェクト。
2019年のキャンペーンソングとして製作されたのが、今回ご紹介する【メロンソーダ】でした。
作詞作曲を担当したのはシンガーソングライターのaikoさん。
aikoさんといえば甘酸っぱい歌詞が特徴的ですが、本楽曲も例に漏れずそんな魅力が詰め込まれています。
どこか懐かしさも感じられる歌詞を追いながら、繊細な心情変化を見ていきましょう。
変わったものと変わらないもの
過ぎた季節を懐かしむ
あっという間に想像してたより
ずっと早く春は過ぎる
きっとまたすぐに暑くなって次は
肩をすぼめてマフラーを巻くんだ
最初はそう とっつきにくくってさ
卒業してから仲良くなった
出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO
この楽曲の登場人物は2人。語り手である主人公と、恋人である君です。
主人公は過ぎ去った時間を懐かしんでいるようですね。
この時点ですでに過ぎ去っているとされる時間は2つ。
3-4行目で綴られている冬という季節。そしてもう1つが5-6行目にある学生生活です。
ただ1-4行目に戻って考えてみると、ここでの語り手はさらにその先の季節のことまで想像しているようです。
流れる時間の速さに驚きながら、なんだかその移り変わりさえ楽しんでいる様子も見られますね。
その理由はきっと4行目に登場している「マフラー」。
作詞しているのが女性のaikoさんであることを考えると、主人公が女性で君が男性でしょう。
照れ屋な君に唯一近づくことができるのが、マフラーを巻いてあげる瞬間だったのかもしれませんね。
さらに冬なら、寒さを理由に密着することもできます。
主人公にとって、冬は幸せな時期だったに違いありません。
大人になったような、なっていないような2人
メロンソーダがビールになって
ハンバーガーはハンバーガーのまま
あぁ こういうの何て言うんだっけ
出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO
ここでは変わったものと、対照的に変わらないものが綴られています。
まず1行目が変わったものですね。お酒が飲めるようになるのは、大人になった証拠です。
対して2行目では変わらないものが綴られています。
大人になっても好きなものは好きなのでしょう。食の好みが変わらないのだとわかりますね。
明確には綴られていませんが、この飲み物と食べ物の描写が人の成長を意味しているのだと考えられます。
甘さを求めそれを飲んでいた人たちは、次第に苦みを求めるようになりました。
本当に成長した部分もあるでしょうが、背伸びしたい気持ちも含まれているように感じます。
しかしそこに安心感を与えるのが2行目の食べ物。大人も子どもも大好きな味ですね。
変化することのない好みが、成長しても変わらないその人の根本的な部分を意味しているのではないでしょうか。
不安と決意
見える糸とは?
ねぇ今日も少し不安だよ
だったら見える糸
君に巻いてあげる
出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO
君はとてもモテる人なのかもしれません。
そんな君が本当に自分のところに居続けてくれるのか、不安に駆られているようですね。
そんな不安を払拭するための行動が2-3行目。
2行目に登場している「見える糸」。これは冒頭の歌詞にも登場していたマフラーのことではないでしょうか。
「巻く」という表現がなされていることからも、マフラーを首に巻きつける様子が想像できますね。
やはりマフラーは主人公と君をつなぐ、非常に重要な意味を持っているようです。
君を手放したくない
電話の向こうでラジオが
「ベイベーダーリン」
繰り返す日々にもらった
プレゼントは君だ
ある日 突然 心に灯る想い
出典: メロンソーダ/作詞:AIKO 作曲:AIKO