「ボーイズ&ガールズ」はどんな楽曲?

ASIAN KUNG-FU GENERATION「ボーイズ&ガールズ」のMVを徹底解説します!!の画像

1年半ぶりのシングル

2018年9月にリリースされました。

前作の「荒野を歩け」から1年半ぶりのアジカン25枚目のシングルです。

ミドルナンバーのこの曲は初めて聴いたときは「これシングルなんだ?

という感想がまず最初にありました。

一回聴いただけではあまり印象に残らなかったからです。

しかしこれは筆者個人的見解なのですが、アジカンのミドルナンバーは聴けば聴くほど良くなっていくのです。

実際に歌詞を見ながら繰り返し聴きこみ、そしてMVを見て確信しました。

『これは名曲だ。そしてこれはこのタイミングでシングルで出さなければならなかったのだ』と。

というのも、同年12月にニューアルバムホームタウン」のリリースが決定しています。

アジカンのボーカルギター、後藤正文ことゴッチさんは次のアルバムについてこう語っています。

『パワーポップになる』と。

これの言葉に誰もが期待したことでしょう。

『久々に勢いのあるアジカンが聴ける!』と。

その期待に不安を抱かせるようなタイミングでのリリースの今作です。

その意図は『ただのパワーポップにしねぇぞ。』というメッセージだと筆者は受け取りました。

今のアジカンだからこそ作ることのできる「パワーポップ」に必要不可欠な楽曲が今作なのでしょう。

ジャケットはいつもの中村佑介氏

アジカンのジャケットといえばこの方ですよね。

今回のジャケットも素晴らしいものになっています。

「青春」を表している要素が詰まったアートです。

バイク。涙。夕日。首から下げられた鍵。

どれも青春を象徴するものです。

そこに男の子を象徴している犬と、女の子を象徴している猫が描かれています。

また後ろの防波堤のような所にはアジカンのメンバーと思われる4人の影があります。

女の子が下げているネームプレートから見える文字は「田」と「花」の文字です。

そこから察するにおそらく彼女の名前は「山田 花子」ではないでしょうか。あくまで憶測ですが(笑)

遊び心もたっぷりの中村佑介さんの今回のジャケットもやはり素晴らしいですね!

タイトルに込められた想い

「ボーイズ&ガールズ」というタイトルは他のアーティストでもみられます。

有名なところではユニコーン「Boys&Girls」浜崎あゆみ「Boys&Girls」などです。

このタイトルの曲のほとんどが青春時代の全ての少年少女の曲です。

アジカンの今作ももちろんそんな少年少女に向けた曲です。

ただし今、少年少女である人たちに向けただけの曲ではないのです。

昔少年だったり、少女だった人にも向けられているのです。

今も昔も含めて、全ての少年少女を経験している人たち。

そのような意味での「ボーイズ&ガールズ」というタイトルをつけたのでしょう。

MV解説

こちらが「ボーイズ&ガールズ」のMVです。

ゴッチさんはこのMVに関してあたたかい気持ちになれるものになったとコメントしています。

監督は大喜多正毅氏

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Mr.ChildrenUVERworldなど様々な有名なアーティストを手掛けている監督です。

アジカンでは「スタンダード」「Easter/復活祭」「Opera Glasses/オペラグラス」を手掛けています。

映像が非常に綺麗で、アンダーな色彩をクールに映し出す監督というイメージです。

しかし今回の「Boys&Girls」ではもっと優しい印象の映像です。

優しいとは言っても淡い優しさではなく、力強い優しさを感じさせます。

さすがの大喜多正毅氏です。

現代の若者を描く

MVの中では20歳前後と思われる少年少女がたくさん写し出されます。

何度か映し出される少年少女には、それぞれの生活の背景を想像させられます。

駅でダンスの練習をする少年少女はきっとダンスが大好きなのでしょう。

人目も気にせず練習に没頭し、とても素敵な笑顔を見せます。

同棲しているであろう少女2人はもしかしたら同性愛者なのかもしれません。

お揃いの同じ指輪をしているのが写っています。

そうでないにしろ2人の時間がかけがえのない大切なものというのがその雰囲気からわかります。

スケボーに没頭する少年は同じ仲間との時間が好きなのでしょう。

自然な笑顔で仲間とハイタッチしています。

それ以外にも街角のたくさんの少年少女は皆、自然な笑顔を見せます。

それぞれにそれぞれの生活があり、個々に大切なものがあり、等身大で生きている。

そんなことを感じさせられる映像になっています。

夜を徘徊する少女