運命から逃れられない

嘆く仮面(かお)が そう
ただ舌なめずり

出典: DIE SET DOWN/作詞:マイクスギヤマ 作曲:山田信夫

共存が見込めない残酷な世界を見て、主人公は自分の非力を目の当たりにしているのでしょう。

どうにかして世の中を変えていきたい、という人間としての気持ちが「嘆く」という言葉に凝縮されています。

しかしその姿は仮のものなのです。

アマゾンを作り出した造物主でありながら、自己の都合ですべてのアマゾンを絶滅させようとする母や仁など人間に嫌気が差した悠は、自身の在り方を「人間」ではなく「アマゾン」であると定義し、「アマゾンであっても守るべき者は守り、人間であっても狩るべき者は狩る」という意思を持つ。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/仮面ライダーアマゾンズ

主人公は自分を「アマゾン」だと考えています。

ですから共存を望む自分は、自分ではないのです。

もっともらしいことを口にしてもっともらしい顔で今を変えたいと願う主人公。

しかしその顔の下では、アマゾンとしての本能がむき出しになっています。

理性では抑えが効かないほどに、アマゾンの本能は強いのでしょう。

過去は変えられない

蠢く狂気のLegacy
記憶が ああ 忌々しい
この無情の世界は護り斬れなかったものばかりさ

出典: DIE SET DOWN/作詞:マイクスギヤマ 作曲:山田信夫

アマゾンとしての力を発揮してアマゾンの駆除を始めるも、それが正解かどうかは分かりません。

実は全てのアマゾンが人を食らうわけではなく、共存が可能な者もいるのです。

そして自分の愛すべき母親は、アマゾンの生みの親だという事実。

誰を生かして誰を殺すべきなのか、主人公自身が決めて良いものなのでしょうか。

自分は「生かしたい」と思っても多くの人は「殺せ」と言うかもしれません。

「駆除したほうが良い」と考えても皆に止められるかもしれません。

これまでの自身の行動を振り返って悔いている様子が見て取れます。

生と死の間

【DIE SET DOWN(小林太郎)】歌詞を考察!タイトルは初代☆仮面ライダーアマゾンの必殺技?の画像

Wow-wow-wow Take your AmazonZ!
何も殺さず 生きられない

出典: DIE SET DOWN/作詞:マイクスギヤマ 作曲:山田信夫

人間はアマゾンを殺さなければ自分たちの身に危険が及ぶかもしれません。

しかしアマゾンも人間を食わなければ、もしくは人間と戦わなくては滅んでしまいます。

もっと突き詰めれば、人間は常に何かを殺して生きているといえるでしょう。

家畜や魚を捕らえて、その命を栄養として摂取しているのです。

生きるために、何かの命を奪うことが許される。

つまり生と死は表裏一体だといえます。

Wow-wow-wow Fate must be done
哀愁は永遠に 抱いて道連れ

出典: DIE SET DOWN/作詞:マイクスギヤマ 作曲:山田信夫

彼の苦しみは永遠に癒えることがないのでしょう。

何よりも彼が、それを望んでいません

なぜならこの歌詞からは受動的ではなく能動的に、苦しみを持ち歩いている様子が窺えるからです。

きっと彼が生きている限り永遠に続く贖罪、つまりはなのではないでしょうか。

生きたいと思って生きる

自分と向き合う強さを持つ

【DIE SET DOWN(小林太郎)】歌詞を考察!タイトルは初代☆仮面ライダーアマゾンの必殺技?の画像

Wow-wow-wow Take your AmazonZ!
死んでるように生きたくない

出典: DIE SET DOWN/作詞:マイクスギヤマ 作曲:山田信夫

人間を人間足らしめているものは「意志」ではないでしょうか。

いくら呼吸をしていても、心臓が動いていても、意志がなければ「生きている」とはいえません。

英詞部分を意訳すると「アマゾンであることを受け入れろ」という意味に捉えられます。

仁から、アマゾンの正体や彼の目的、そして自身が辿る運命を聴き、「近い将来に人を食べるくらいなら駆除されたい」と後ろ向きな態度を示していたが、「食われる前に食え」というアマゾンの本能に従い、七羽から譲り受けたアマゾンズドライバーでアマゾンオメガへと変身。
仁に襲い掛かり彼の『アマゾン狩り』には協力しない姿勢を明らかにした。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/仮面ライダーアマゾンズ