夢の中を泳ぐバンド、ねごと

ねごと【カロン】歌詞の意味を解釈!月に見立てる”きみ”との関係を考える!タイトルがヒントに?!の画像

2010年にメジャーデビューを果たし、独自の世界を展開し続ける「ねごと」。

王道の4ピース編成で繰り広げる音楽は、キュートでありながらもパワフルです。

デビューシングル「カロン」

鮮烈にブレイク!

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今回ご紹介するのはメジャーデビューシングル「カロン」です。

この曲は2011年にauが展開した「LISMO!」春のキャンペーンソングに採用されました。

このシングルオリコンチャートで見事10位にランクイン

デビューからわずか1年、ねごとは一気にブレイクしました。

2011年は奇しくも東日本大震災が起きた年でした。

日本という国が災害と対峙せざるを得ない中、ねごとは精力的にライブを展開。

日本全国をくまなく周り、その独自の音楽で日本中の人々を勇気付けていました。

このように、2011年という年はねごとにとっても転機の年となりました。

手作り感満載のキュートなMV!

YouTubeのねごと公式チャンネルにはMVが公開されています。

ミニチュアがひしめくジオラマの中をカメラが駆け抜けるという手作り感満載のMV

ねごとのキュートな世界観が色濃く反映されているMVですね。

ジオラマは「夜」に包まれています。

「夜」という時間帯と「カロン」は深い繋がりを持っています。

丸いキーボードの音で曲は始まり、そしてパルスが響く合奏に流れ込みます。

ボーカルの蒼山さんのハイトーンボイスも聴き応えがあります。

歌詞を徹底考察!

この記事では「カロン」の歌詞を徹底考察していきます!

「カロン」とはそもそもなんなのか?

「カロン」が指し示すものはなんなのか?

それらを読み解いていくうちに、非常に切ない世界が広がっていることに気づきます。

キュートな歌声に隠された切なさを読み解いていきましょう!

「カロン」とは?

冥王の使い

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そもそもこの曲のタイトルである「カロン」とはなんなのでしょうか。

「カロン」とは、元々はギリシャ神話に登場する人物(?)です。

神話の登場人物といってもカロンは神ではなく、神よりも低い位に位置しています。

カロンは冥界(死後、霊魂が行く世界)に流れる河で船を漕ぐ船頭です。

霊魂は1オボロスの運賃をカロンに支払い、彼岸まで渡してもらうのです。

仏教における「三途の川」に似た考え方ですね。

(全然違う国の神話に類似したモチーフが登場することは多々あります)

ただ、この曲のタイトルはこの人物そのものを指すわけではありません。

この「カロン」は冥王星の最大の衛星である「カロン」を指します。

冥王星はその名の通り、冥王「プルートゥ」から名前が取られています。

冥界の王の周りを巡回している衛星なので、その使いであるカロンの名前がつけられました。

つまり、地球における「月」と同じですね。

冥王星は2006年に太陽系第九惑星から準惑星に区分が変更になりました。

冥王と冥界の船頭は、地球から遥か遠く離れた場所で死者の霊魂を運んでいるのでしょうか。

空から落ちる星=「私」

夜から落ちてしまった私

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たったひとつの星が空から落ちて
このまま夜に溶けてしまいそうだった
たったひとり世界で最後に起きているような
音もしない長い夜だった

出典: カロン/作詞:蒼山幸子 作曲:沙田瑞紀・蒼山幸子