ゲーム「マブラブ オルタナティブ」の主題歌
名曲
かつて、それ自体がイベントのように度重なる発売延期の末にリリース。
熱狂的なファンを持つageの伝説的ゲーム「マブラブ オルタナティブ」。
その主題歌「JAM Project/未来への咆哮」は紛れもなく名曲です。
哀愁を帯びたアップテンポのメロディラインの美しさ。
勇壮さの中に悲壮な決意を漂わせる歌詞。
それが影山ヒロノブの透き通った高音に乗って胸が高まります。
「マブラブ オルタナティブ」の大成功。
主題歌の「JAM Project/未来への咆哮」が大きく貢献。
それは誰も否定はできないでしょう。
さらに歌詞を詳細に辿っていくと、そこには見事なほどのシンクロ。
「マブラブ オルタナティブ」の世界観を堪能できます。
歌詞の引用しながら「マブラブ オルタナティブ」の世界観。
そして主題歌「未来への咆哮」とのシンクロ度合いを探っていきます。
あっという間にストーリーに引き込む導入の力技!
立ち上がれ 気高く舞え
天命を受けた戦士よ
千の覚悟 身にまとい
君よ 雄々しく 羽ばたけ
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一
パラレルワールドとタイムスリップ
「マブラブ オルタナティブ」のストーリー。
それはパラレルワールドとも言われる「平行世界」と「タイムスリップ」。
その二つがキーポイントになります。
平凡な日本人として生活していた主人公・白銀武。
突然、平行世界に巻き込まれ地球外起源種「BETA」との戦いに。
凄惨な攻防の末、国家間の利害の調整にも失敗した人類。
戦いに敗れ、地球を放棄するという地球放棄計画「オルタナティブ5」を選択。
その3年が過ぎ、武がある時、深い眠りから覚めます。
すると危機に瀕した放棄以前の地球にタイムスリップしていることに気づきます。
武が、そのわずか2ヶ月後に迫った悲惨な地球放棄を知っている。
そうした状況は、まさに「天命」です。
今はまだ希望に満ちている多くの仲間。
彼らに悲惨な運命が待ち受けていることを武は知っています。
未来の運命を変えるべく覚悟を身にまとい戦士として立ち上がるイメージ。
それが歌詞冒頭のわずか2センテンスで立ち上がります。
「闇の時代」と「神の刃」の正邪の対比が「マブラブ」世界の扉をこじ開ける
闇の時代を告げる
鐘が遠く鳴り響く
戦う友よ
今 君は 死も恐れず
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一
地球を放棄!?
かつて敗北した未来の記憶の中にある地球放棄。
その闇の時代は目の前に迫っていることを武は知っています。
周りの友たちが勇敢に戦い多くの仲間が斃(たお)れたことも…。
未来に何が起こるかを知らずに死をも恐れず戦う友たちの姿。
きっと胸が熱くなることでしょう。
守ろうとして守れなかった地球、仲間、人類の未来。
その悲惨さを、たった2行で見事に伝えています。
瓦礫の街を染めて
沈む夕日は紅
愛する地球の未来を守るため
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一
BETAとの戦闘
地球外起源種「BETA」との戦いによって廃墟となった地球。
かつて人々の文明と平和な生活があった街は瓦礫と化しています。
それでもやはり夕日は紅に美しく沈みます。
その紅はもちろん、地球を愛し、守るために多くの人類が流した血。
そこに帰結します。
もっと深読みすれば国際間の利害関係を克服できなかった。
故に地球を放棄せざるを得なかった。
愚かな人類が多くの欲にまみれた戦争で流した流血への悔恨。
さらには切ない想いも重なります。
「BETA」とは人類にある黒い野望のメタファーとも読み取れます。
おお 神の刃は
人類の愛
祈りを込めて
つらぬけ
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一