「BURNOUT SYNDROMES」による疾走感のある青春ソング
「燃え尽き症候群」という言葉を、知っている人は多いでしょう。
まさに燃え尽きるほどに全力で歌うのが、3人組ロックバンドの「BURNOUT SYNDROMES」です。
そのバンド名はまるで、轟轟と音を立てて激しく燃え上がる炎さえ思わせます。
そんな彼が歌うのは、今回ご紹介する【銀世界】という楽曲です。
火や炎とは真逆にある雪の世界に、彼らはどんな思いを込めたのでしょう。
この曲は、「ましろのおと」というTVアニメのOPテーマに起用されています。
原作は津軽三味線を題材にした、同名の青春系少年漫画です。
BURNOUT SYNDROMESは、漫画を読んで世界観やキャラクターをイメージしてこの曲を作ったそうです。
なるほど、白を基調としたMVは、津軽三味線の本場である雪深い青森を思わせるようでもあります。
聴いているだけで思わず走り出したくなってしまうような、疾走感にも溢れています。
青春真っただ中のがむしゃらな感じもあって、ぐっと引き込まれてしまうことでしょう。
歌詞の意味を1つずつ読み解きながら、BURNOUT SYNDROMESの青春ソングを味わっていきましょう。
強い意志を持って銀世界を駆け抜けろ!
白い息を吐き出して
踏み出す度 舞い散る雪煙
今 目の前に広がる
果てしなき 一面の銀世界
出典: 銀世界/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
冒頭部から早速、疾走感の強い歌詞が並んでいるのが分かります。
MVでも、線画のような人物の走り出す様子が描かれています。
たった4行の歌詞ではありますが、光景がありありと浮かぶようなリアルさを感じられないでしょうか。
BURNOUT SYNDROMESは「文豪ロックバンド」とも称され、言葉の響きをとても大切にしています。
歌詞が美しく流れるのはもちろん、臨場感あふれる表現法も要チェックといえるでしょう。
心のままに前へ前へ
走り出した足は、そう易々とは止まってくれません。
こちらのパートの歌詞では、前向きな気持ちを伴って前に進む様子を感じられるのではないでしょうか。
寒さの中で研ぎ澄まされて見えてくるもの
冷えた空気は心地良い
己の輪郭が見えるようで
マフラー キツく巻きつけ
悴んだ手で 枯木 掻き分ける
出典: 銀世界/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
雪が降るほどに冷えた空気はどこか、気持ちをしゃんとさせる力を持っているような気がします。
冬のイルミネーションが美しいように、あらゆるものがクリアに見えてくるともいえます。
寒いことで、いろいろな感覚が研ぎ澄まされるのでしょう。
引用歌詞の1~2行目では、そんな空気を実際に味わっているかのように感じられるようです。
冷気が体まで冷やしてしまわないように、防寒はしっかりとするのがいいのでしょう。
心だけは冷えた空気に晒して、求めるものを見失わないようにします。
寒さで手が悴んでしまっても、前へ前へと進むことを止めません。
吹雪を抜けた先には…
薄暗い洞の奥
ぬくぬくとした暗闇 捨て 追え
吹雪の向こうでキミを待っている
暁の光…
出典: 銀世界/作詞:熊谷和海 作曲:熊谷和海
白銀の世界と対を成す、薄闇の中。
温かな洞穴で、冬眠するように過ごす日々もあったのでしょう。
しかし、【銀世界】の主人公は気付くのです。
自分を甘やかす世界の外に、手にするべきものがあるということを。
洞の外は寒く、荒れ狂うように吹雪いています。
それでもその先にはきっと、明るい世界が待っていてくれているのではないでしょうか。
銀世界に春をもたらせ
楽曲が進んでいくにつれ、さらに希望を感じられる歌詞に出くわすでしょう。
こちらのサビ部分には、吹雪に包まれた銀世界が、あっという間に春めくような感覚があります。
BURNOUT SYNDROMESがこだわる、言葉の美しさにも注目してみましょう。