ぴこぴこ東京 トキメク街
そう今にも恋は 電球のぴかり
ぴこぴこ東京 感じるシンパシー
涙Light お願い 嘘じゃないの
Ah かわいいロービット
Ah もうハラハラよずっと
Ah 走れこのサーキット
Ah ドキドキの過充電
出典: ぴこぴこ東京 (feat. 眞白桃々) /作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
コマンド入力で切り替わった画面に映るのは一台の車。
運転しているのはドライブゲームをしていた彼女です。
誘われた空間はどうやらゲームの世界の様子。
快調に車を走らせる先に臨むのは新宿の街並みと富士山。
彼女の目的地は“トキメク街”「東京」なのでしょうか。
歌詞に描かれるように期待に胸を膨らませながらゲームの世界でのサーキットを思う存分満喫しているようです。
彼女の車と並走する電車の中には彼氏の姿がありました。
手にはオープニングで起動させたレトロな携帯ゲーム機。
あの不思議な緑の電磁波で現実世界とリンクされているのでしょうか。
もしくは電磁波に操られているのかもしれません。
彼氏は迷い込んだゲームの世界の電車内でも飄々と格闘ゲームを楽しんでいます。
対戦相手を見事に倒すと運転していた彼女と合流。
見えない“シンパシー”に引き合わされたようにまた二人でドライブ再開です。
レベルアップ!
このまま二人で「東京」に向かうのかと思いきや、いままで見えていた街並みは暗くて見えません。
すっかり夜になった頃、彼女はレベルアップを迎えます。
ここはゲームの世界の中。
レベルアップには十分すぎるほど彼女は車を走らせていたのです。
ゲームならレベルが上がれば次のステージが待っているもの。
まだまだ二人の行先には新しい世界が広がっているようです。
「東京」を飛び越えて
運転している車もレベルアップしたのでしょう。
ボタンを押すと音楽が薄れるほどの大きな起動音と共に車が第二形態に変化。
火を噴きながらそのまま宇宙へと飛び出していきます。
目的地かと思っていた「東京」を飛び越えてしまったのです。
大気圏を抜けてUFOを横目に色とりどりの惑星を抜けて宇宙のドライブ。
ロマンティックに思えた景色から発展したのはUFOとの闘いです。
もしかしたらこれは彼氏がゲームセンターでしていたシューティングゲームかもしれません。
凄腕でUFOを撃破して二人は無事任務を終えたかのように地球に帰還します。
吸い込まれるように戻ってきたのは二人が訪れたゲームセンター。
やっと無事に現実の世界に戻ることができたようです。
しかしなぜ二人は「東京」を通り越して宇宙にいってしまったのでしょうか。
いまやどこにいてもなんでも簡単にアクセスできる現代。
もう特定の場所に必要性がないことを意味しているのでしょうか。
歌詞からMVを考察
すべてはその手の中?
ゲームの世界で繰り広げてきた二人のファンタジーな冒険。
MVの最後にはまたオープニングで映った携帯ゲーム機の画面に戻ります。
つまりこれは最初から全部ゲーム内で起こった出来事だということ。
ゲームセンターに行ったところから全部、手の中にあるゲームのただの一部にすぎないのです。
様々な情報や文化が発信され日々アップロードされていく「東京」。
めまぐるしくもキラキラ輝く憧れの街と思っている方も少なくないかもしれません。
その手の中にあるスマホひとつで「東京」も、さらには世界をも感じ取れる時代です。
オフラインでも「東京」で輝きたい
この街のはじっこで
きっと何かをしたくて
どうせ来る未来なら
オフラインでも輝きたい
出典: ぴこぴこ東京 (feat. 眞白桃々) /作詞:中田ヤスタカ 作曲:中田ヤスタカ
歌詞が意味するのは「この街」、つまり「東京」であることの必然性です。
いまやスマホやパソコンひとつでなんでもできるといっても過言ではありません。
ネットの世界では誰もが自由、自分の好きに振る舞えることでしょう。
しかしそれは現実であっても本当の意味でのリアルではない。
ゲームではなく現実の世界の「東京」で自分らしく生きていくこと。
それができればゲームの世界で二人が宇宙に飛び出したように、枠を越えて新しい未来が見えるのかもしれません。
MVで手の中にあったレトロなゲーム機。
もしそれが未来を意味するものだとしたら、もう未来をその手の中に持っているとも捉えられます。
未来は最新のデバイスに限らずどんな形であっても自分の手の中にあることを意味しているのではないでしょうか。
きっとそこには新しい可能性がたくさん広がっていて私たちを待っているのかもしれません。