楽曲「コトノハノオモイ」
アルバム『白と色イロ』収録
井上苑子さんの楽曲「コトノハノオモイ」はアルバム『白と色イロ』に収録されています。
1曲1曲に色がついているかのように、井上さんの楽曲にはたくさんの表情があります。
「コトノハノオモイ」には青春時代を駆け抜けて大人に成長していく様子が描かれていました。
色で表すと"青"でしょうか。
自分の過去を振り返るような歌詞は、誰もが経験しているターニングポイントを探しているように感じます。
あの時のあの言葉に救われた…そしてそこから人生が変わった…。
言葉にすれば大袈裟なのかもしれないけれど、人はそれの繰り返しで成長しているのでしょう。
アニメ「川柳少女」主題歌に起用
楽曲「コトノハノオモイ」はアニメ「川柳少女」のオープニング曲です。
井上さん自身初のアニメタイアップ曲になりました。
川柳を詠むことで相手に想いを伝える主人公と楽曲の世界観は見事にマッチしています。
「コトノハノオモイ」の歌詞に出てくる言葉は綺麗なものが多いです。
同じことを伝えていても、相手を喜ばせることもあれば傷つけてしまうこともあります。
それくらい言葉は難しく、私たちを永遠に悩ませるのです。
MVに描かれている世界観
「コトノハノオモイ」のMVには"言葉"によって葛藤している女子生徒と演奏する井上さんが登場します。
疾走感溢れる明るいメロディーの楽曲でありながらも言葉の光と闇を映像でしっかり表現していました。
ハッキリと別れた2つの世界観について解説していきたいと思います。
光の世界
まず登場するのは爽やかな光を浴びながら「コトノハノオモイ」を歌う井上さん。
朝日のようなフレッシュさが映像から伝わってきます。
アニメのオープニングにふさわしい元気なサウンドと弾けるような笑顔が微笑ましいです。
もしもこのMVが全て井上さんの映像で構成されていたら楽曲のイメージはガラッと変わっていたでしょう。
光と闇のように対比するものがあるからこそ光の世界がより輝いて見えるのです。
最初から明るい場所にいたらそれが当たり前だと思ってしまうから…。
闇の世界
光に対して闇の描写は4人の女子生徒が登場する夜の学校です。
夜の教室にいる4人には笑顔が無く、少し迷いがあるような複雑な表情をしています。
青春時代特有の悩みは誰に相談すればいいのか分からず、いつまでも心のモヤモヤが晴れぬままです。
そんなときに近くにいてくれる仲間と話をするだけでいつの間にかスッキリしていたりします。
何気ない会話の1つ1つが自分を新しい世界へと導いてくれるのです。
井上さんにもおそらくこういう青春時代があったのではないでしょうか。
悩んで悩んで悩みぬいてどんどん大人になっていく…。
途中で諦めずに暗い闇の中から光を探したからこそ今の輝かしい人生があるのです。
美しい紙吹雪
紙吹雪の意味
色鮮やかな紙吹雪が舞う様子はとても儚くて綺麗なのです。
この紙吹雪が表すものは一体何なのか?
アルバムのジャケットにも採用されているところにヒントがあるのではないでしょうか。
『白と色イロ』というアルバムタイトルには、この先様々な色に染まっていけるという未来の可能性も込められています。
それは決められた音楽だけでなく、表現力を更に豊かにしていきたいと考えている井上さんの気持ちです。
つまり、紙吹雪は自分に降りかかってくるいろいろなチャンスなのではないでしょうか。
手を伸ばせば届くものもあれば、届かずに落ちていくものもあります。
知らないうちに肩についてるかもしれないし、掴んだつもりが掴めてなかったりもするでしょう。
映像の学生たちに置き換えてみます。
学生の頃は選択1つで自分の人生が決まっていく大事な時期です。
でも人生を背負うにはまだまだ子供…だから迷います。
それでも彼女たちには様々な可能性があり、チャンスもたくさんあるのです。
そんな迷いを払拭してくれるのが"言葉"であり、さらに悩ませるのもやはり"言葉"なのでしょう。