降り掛かる苦悩に立ち尽くしていても
キミが居るだけで幸せだった あの頃にはもう戻れない
出典: L.Miranic/作詞:LiSA 作曲:MAH
本当に悪いのは弱い自分の心だと、主人公は気づきかけています。
自分らしくありたい心と、誰かの顔色を伺わずにいられない心。
いくらその葛藤に苛まれていても、起きたことに後戻りはできません。
爆発してしまった感情は、キミとの関係に深い亀裂を作ってしまいました。
もう、幸せだった頃に戻ることはできないのです。
本当の犯人は
主人公の出した答え
Freak out!
壊せ 何も残さずに (Break down! Going crazy!)
ナミダ スコール ダイナマイト
嫌われてもかまわない (So what? I don't care!)
都合良く全部キミのせいにして
HELP ME HELP ME 並べすぎたウソ 逃げ場失って
純粋からはみだした (Let me go, Set me free…)
本当の犯人は…It's YOU
出典: L.Miranic/作詞:LiSA 作曲:MAH
もう後には引けない。ラストのサビはそれを決定づけます。
悩み、苦悩しながらも、主人公はキミとの関係を壊す道を進むのです。
基本的な歌詞は一番のサビと変わりませんが、どこか開き直ったようにも見えます。
そして、もう戻らない過去への寂しさや後悔の念もあるのでしょう。
その象徴となるのが歌詞の一番最後の変化。犯人として指し示されたYOUという言葉です。
YOUとは一体誰を指すのでしょう。
この歌の登場人物はアタシとキミの二人だけです。
もしもキミが悪いと思うなら、犯人はキミだと言えば良いだけです。ですが、そうは言っていません。
キミが悪い、というのは都合の良い言い訳だと分かっているからです。
この中でそんな言い訳が出来るのは主人公だけ。つまり、YOU=アタシとなるわけですね。
自分の非を理解しながらも、ここでもはっきりと犯人はアタシだと明言しない。
それこそが主人公のずるさであり、己の弱さを克服できていないことの表れなのでしょう。
LiSAの自己批判
押さえ込んでいた感情が爆発してしまい、取り返しがつかなくなる。
「L.Miranic」はそんな、一種の悲劇ともいえる状況を描いた歌でした。
LiSAはなぜそんな光景を歌にしたのでしょうか。
その答えは「犯人はLiSAである。」という言葉に隠されています。
LiSAが犯人だとすると、アタシ=LiSAという答えが見えてきましたね。
つまり、この歌はLiSA本人が抱く悩みや葛藤そのものなのでしょう。
PVにもそれが表れています。LiSAが投げつけた矢が跳ね返って、自分自身を取り囲むように刺さっていますね。
アタシの弱さ、それこそが自分の欠点なのだというLiSA自身を省みた意味も込められているのでしょう。
歌の主人公は、抑圧された感情を爆発させて全てを破壊してしまいました。
ですがLiSAはそうして押さえ込んだ気持ちや葛藤の全てを歌声に変えて、自分自身を表現しています。
感情のエネルギーを爆発させて放つ歌声。
だからこそ、LiSAの歌は人を惹き付けるのかもしれません。
歌詞に込められた本当の意味
誰にだってあり得る可能性
この歌は二人の関係性になぞらえていましたが、実際の社会でも同じ事は起こりえます。
実際、主人公の持つような悩みや葛藤を抱える人は現実にも多いのではないでしょうか。
社会が掲げるこうあるべきという理想の姿、暗黙の了解や決められたルール。
それに従って、自分の心を抑えながら生きている人は少なくありません。
我慢や無理を重ねることで身体にかかる負担はよくストレスという言葉に置き換えられますね。
貯まりきったストレスは身体に異常をきたしたり、何かの拍子に爆発してしまうこともあるでしょう。
それによって今まで積み重ねてきた何を破壊してしまった時、果たして一体誰が犯人だと言えるのでしょうか。
主人公のように、自分だけが悪いとは簡単に言い切れないかもしれませんね。
自分自身を解き放つこと
全てを壊してしまうくらいなら、いい子でいる必要なんてないのです。
自分をがんじがらめにしている抑圧の糸をほんの少し緩めて、自分の心の声に正直になってみてください。
我が儘に自由にいられる場所を見つけるだけで心はずっと楽になります。
LiSAが葛藤を歌に変えて届けるように、ストレスを別の何かに転換しても良いのです。
自分だけのとっておきの方法を探してみてください。
そうすることで、主人公のように全てを壊して失ってしまうことは避けられるはずです。
もっと自由に、自分自身を大切にのびのびと生きていたって良いじゃない。
それこそがLiSAがこの楽曲に込めた真の意味なのではないでしょうか。
LiSAの楽曲
圧倒的な歌唱力で幅広い世界を表現するLiSA。
ノン・タイアップならではの彼女の魅力をお伝えしてきました。
忘れてはいけないLiSAのもつもう一つの魅力があります。
彼女の真骨頂といえばやはりアニメソング。まっすぐで伸びやかな歌声は、作品の世界に鮮やかな色を飾ります。
そんな彼女の代表的なタイアップ曲をご紹介します。作品とあわせてご覧ください。
LiSA【THIS ILLUSION】歌詞の意味を解釈!本当に求めているものは?明日の自分に何を望む - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
大人気アニメの代表曲である「THIS ILLUSION」を、アニソンの歌姫・LiSAさんがカバーしました!オリジナル曲や「disillusion」とは全く違う、情熱的な歌い方は光を見出したようにも感じられます。主人公が求めるものは一体何なのでしょうか。