『コクリコ坂から』
「朝ごはんの歌」は『コクリコ坂から』挿入歌!
『コクリコ坂から』は2011年7月16日に公開されたジブリ映画です。
ジブリといえば宮崎駿監督のイメージが非常に強いです。
が、『コクリコ坂から』はその息子さんである宮崎吾朗監督の作品。
2006年公開の『ゲド戦記』を手掛けられた方です。
『ゲド戦記』についてはここでは細かく触れませんが、賛否両論あった映画作品でした。
『コクリコ坂から』は一般的に『ゲド戦記』と比較して、より評価の高い作品とされます。
実は『ゲド戦記』同様に原作があり、1980年1月号からなかよしで連載されていました。
原案は佐山哲郎さん、作画は高橋千鶴さん。
その『コクリコ坂から』の挿入歌が今回ご紹介する「朝ごはんの歌」。
爽やかで朝にぴったりの可愛らしい歌です。
歌手、手嶌葵さん
「朝ごはんの歌」を歌われている手嶌葵(てしまあおい)さん。
「明日への手紙」などで有名なシンガーです。
「明日への手紙」は2016年冬の月9ドラマ、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の主題歌でしたね。
手島葵さんのデビューは先ほど挙げた『ゲド戦記』です。
ヒロインの声優をつとめながらも挿入歌「テルーの唄」を歌い上げて注目を集めました。
手島さんの歌はその優しい、囁くような美声が評判です。
「朝ごはんの歌」作詞には監督も
「朝ごはんの歌」歌詞をいざ実食
サビ前まで
「朝ごはんの歌」はおしゃれなのにどこか抜けている、可愛らしい調子のイントロでスタート。
ピアノがメインですが、耳に残るのは鳥のさえずり。
曲中ではほかにもたくさん日常生活の音があしらわれています。
お鍋はグラグラ お釜はシュウシュウ
まな板はトントトン
お豆腐フルフル 卵はプルプル
納豆はネバネバ
出典: 朝ごはんの歌/作詞:谷山浩子、宮崎吾朗 作曲:谷山浩子
早くもお腹がすいてきました。
今料理の準備中であることは確かです。
シンプルな描写のおかげで情景がたやすく浮かんできます。
鍋を温めて…お釜では何を炊いているのでしょう。
炊飯器を使っていないとすれば白米かもしれません。
まな板で響くのは小気味良いリズム。
豆腐も卵も納豆も、重たすぎず軽すぎない食材ですね。
つまり朝ごはんにちょうど良いおかずです。
とてもしっかりした「朝ごはん」を作っているようです。
たくさん使われているオノマトペは、可愛いだけでなく五感にまっすぐ訴えかけてきます。
料理の完成が楽しみになる導入です。
焼けたフライパンに卵をおとして
お鍋に味噌をといて
あつあつご飯はおひつにうつして
支度は上々
出典: 朝ごはんの歌/作詞:谷山浩子、宮崎吾朗 作曲:谷山浩子
もしかして卵焼きでしょうか。
目玉焼きの線も捨てがたいですね。
鍋で温めていたのは…どうやらお味噌汁。
お釜はごはんを炊いていたので間違いないようです。
そう、『コクリコ坂から』は昭和38年の横浜が舞台の作品です。
純和風の朝ごはんですね。
料理をする描写が並ぶだけなのに、ストーリーが見えてきます。
古き良き食卓に、食欲をそそられます。
みんなを起こして みんながそろったら
さぁ沢山めしあがれ
お日様も輝いてる
出典: 朝ごはんの歌/作詞:谷山浩子、宮崎吾朗 作曲:谷山浩子
すがすがしい朝ですね。
天気は晴れ。
残念ながら朝食を抜く人も増えてきている現代の日本。
それでもやっぱり朝ごはんは一日を始めるエネルギーです。
朝ごはんを食べる人も食べない人も前向きな気持ちになれる。
そんな風景がこの歌で描かれていることは間違いありません。