「いつもここにいたよ」ってさ 僕の中の遠くから
耳を澄まして 出どころ探すけど
声の主は埋もれてて

「きっとこれからはね」ってさ 喉まできたその声を
どこに 向かって放てばいいかも
分からずただ呑みこむの

出典: ものもらい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

「いつもここにいたよ」という声は自分の中から生まれているけれど、その出どころはまだ分からないままです。

自分の気持ちに気付いたものの、それがどこから来たものなのか分からずにいます。

芽生え始める自我

そして「きっとこれからはね」という言葉が、初めて「僕」自身が持つ言葉です。

これまで、自分を見失い、見えなくなっていた「僕」が自分の言葉をもつということとても大きな意味を持つ出来事です。

結局、どこに向かって発すればいいのか分からず呑み込んでしまいますが、確実に「僕」の中に自我が芽生え始めています。

未来に目を向けるということ

これから」という言葉から「未来」を見ているということが分かります。

「きっとこれからはね」という言葉はおそらく自分自身に向けた言葉でしょう。

この言葉に続きがあるとするなら「君を見失わない」あるいは「僕を見失わない」という言葉かもしれません。

僕ら 二つが一つになれればと
近づきすぎたあの距離の意味を
なんで今頃になってさ この記憶は語るのか

そうだ 一つが二つになったんだ
この世に落とされるその前に
一瞬前に だから 不時着後すぐ会えたの

二度目の離ればなれも きっとすぐまた出会えるよ

出典: ものもらい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

ここで初めて「君」と「僕」以外の主語「僕ら」が登場します。

「僕ら 二つが一つになれれば」の「二つ」が何を指すのか、解釈は様々です。

自分の中の意識と無意識心と体、あるいは生と死

何通りもの受け取り方ができますが、ここでの「二つ」は自分と他者ではなく、自分の中にある二つのものと考えられます。

そして「僕ら」とはその「二つ」を指すのです。

「二つが一つになれれば」と願ったそのあと「僕」は、「一つが二つになったんだ」と気付くことになります。

「この世に落とされるその前」とは生まれる前ということでしょう。

今は離ればなれでも、生まれる前、二つは一つで、生まれる一瞬前に一つが二つになった。

元々は一つだったのだから、今は離ればなれでもきっとまた出会えると不安が確信に変わります。

「不時着」という言葉にはこの地球に同じ時に生まれたという偶然という奇跡が表現されています。

自分という存在は一つでも、時として自分自身が分からなくなったり、自分からはぐれてしまうことがあります。

そんな時、元々は一つだったのだから、「きっとすぐまた出会える」と自分に言い聞かせているのかもしれません。

「ものもらい」のギターコード紹介

F   C   G  Am    F  C/E G  Am
「いつ も ここ にいた よ」ってさ 笑う 声が 悲しく て

F      C  G  Am  F    G C
そばにいたい と願 えば願 うほど 視界 からは 外れて て

F    C   G   Am
「いつ も ここ にいた よ」ってそう

F   C/E     G  Am
それは まるで泣 きぼくろ

F     C   G   Am
だから きっ とこれ からは 毎朝

F   C/E  G    Am
起きて さ 確か めるか ら

出典: ものもらい/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

「ものもらい」のギターは、意外とシンプルで初心者の方も弾きやすいコード進行になっています。

F・C・G・Amが弾ければ曲の大半を弾くことができます。

切なげで印象的なギターソロから始まる曲なので、ぜひ挑戦してみてください。

人はどこからきてどこへ行くのかという問い

「ものもらい」はアルバムのコンセプト「生と死」が至るところに散りばめられた楽曲になっています。

作詞作曲を手掛けた野田洋次郎の、生と死に対する解釈が盛り込まれたRADWIMPSらしい曲です。

同じアルバムに収録された曲の記事をご紹介します。

曲ごとに変化する「生と死」の解釈をご覧ください。

デビュー当時から独創的で挑発的な歌詞を常に発信し続けているRADWIMPS。NHKサッカーテーマソングにも起用された「君と羊と青」の歌詞と動画再生回数、そしてRADWIMPSの人気動画ランキングも合わせてご紹介しちゃいます!

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