少し酔ったおまえは 考えこんでいた 夢見る娘ってとこだよ 決して目覚めたくないんだろう
出典: https://twitter.com/Ozaki_Love1129/status/828337571780366336
あたいグレはじめたのは
ほんのささいなことなの
彼がいかれていたし
でもほんとはあたいの性分ね
学校はやめたわ
今は働いているわ
長いスカートひきずってた
のんびり気分じゃないわね
少し酔ったみたいね
しゃべり過ぎてしまったわ
けど金がすべてじゃないなんて
きれいには言えないわ
出典: https://twitter.com/oobatti1176/status/611923091451592704
お酒の力を借りて、本音を少しだけ口にする。
十代の少女がそんな風になってしまったのは一体どうしてなのか、尾崎豊は私たちに問いかけます。
まだ屈託がなく、何も不安なく笑っていてもいいはずの世代。
彼女たちが道を踏み外しそうになった些細なきっかけを、周りの人間は本当に察知できなかったのでしょうか。
また本当にきっかけが些細なもので彼女たちのことを真剣に考える人物が身近にいたなら、その道を正すこともできたでしょう。
「あたい」がどんな人生を送ってきたのか、どんな思いを抱えて生きて来たのかは本人にしかわかりません。
でもダンスホールであった、話を聞いてくれる相手にお酒の力を借りてはじめて想いを少しだけ話せるのだとしたら、哀しすぎます。
まだ夢見ることが許される十代。可能性も希望もたくさんあり、未来だって決まってはいない世代です。
でも彼女には、もうそういったものは残っていなかったのです。
実際は残っていたのですが、彼女はそれらを見失い、絶望していました。
自分にも、取り巻く環境にも、何も期待しなくなっていたのです。
そしてさみしさや絶望を抱えて出かけるに街には、優しく声をかけてくれる男たちがいたのでしょう。
あくせくする毎日につかれたんだね
俺の胸でねむるがいい 今夜はもうおどらず
ゆうべのくどき文句も忘れちまって 今夜もさがしに行くのかい
今宵眠れるやさしい胸を
そうさおまえは 孤独なダンサー
出典: https://twitter.com/hirotooonisi/status/519828867377152001
ひとときのぬくもりを求めて
優しい言葉と温かい胸。
一時であってもそれは彼女を癒し、安らぎを感じることができたのでしょう。
そして優しい言葉をかけてくる人間の裏の顔や本心を若さゆえ見抜くことができない彼女たちを、邪悪な心を持った人間が利用するのです。
つらい、哀しい、寂しい、そばにいてほしい。
そんな思いを素直に出せず、周りの人間もそんな彼女たちの思いに気づかず彼女たちはぬくもりを求めて彷徨うのです。
現代にも通じる尾崎豊のメッセージ
26歳の若さで夭折してしまった若き天才、尾崎豊。
この「ダンスホール」によって尾崎豊のミュージシャンとしての道は開かれましたが、奇しくも生前最後にライヴで歌われた曲もこの曲でした。
優しく語りかけるように歌う、尾崎豊は私たちに問いかけます。
彼女を死に追いやったのは、直接手を下した犯人だけかと。
彼女の周りの無関心、そして社会。信号を出していた彼女に気づかなかった者たち。
それらすべてが現在でも同じ問題として、いまだに社会に存在しています。
時を経て、改めて今この曲を考え直してみる時かもしれません。
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