「in the Mirror」/Acid Black Cherryに関する情報

【in the Mirror/Acid Black Cherry】歌詞の意味を徹底解釈!コード譜ありの画像

アルバム「『2012』」に収録

アルバム「『2012』」は、「Acid Black Cherry」(以下、ABCとします)の三枚目のアルバムです。

なぜ「」が二つ付いているのかと言えば、このアルバムの正式表記に『』が含まれているからです。

今回紹介します「in the Mirror」は、このアルバムの3曲目に収録されています。

「in the Mirror」の立ち位置

このアルバムには、7曲のシングルが含まれています。

つまりアルバムの半分は既に世に出てしまっています。

ですから、アルバムを構成するのにあたりコンセプトを重要視するABCとしては、シングル曲の立ち位置をどうするか苦心したのではないでしょうか。

「in the Mirror」は、アルバム中恐らく最も激しいロックチューンとなっています。

アレンジとしては、所々顔を出すベースと盛大に歪んだギターが印象的ですね。

この曲から「ピストル」「少女の祈りⅢ~『2012』ver~.」へと勢いが増していくように感じます。

歌詞の意味を徹底解釈!

【in the Mirror/Acid Black Cherry】歌詞の意味を徹底解釈!コード譜ありの画像

病んでしまう自分を許せませんか?

なぜ俺だけこんな目に会う?教えてくれよ
いつも不幸せを感じる度 心が荒み出し
挙げ句他人(ひと)の不幸を望み それを覗き
少し救われたような気になっては 虚しく泣病(なや)む

出典: in the Mirror /作詞:林保徳 作曲:林保徳

「なぜ私だけこんな目に合わなければならないの?」という気持ち、思春期などに誰でも感じたことのあるのではないでしょうか?

しかし40近くにもなる(いい大人の)yasuが、「なぜ俺だけこんな目にあう」「わかってるんだでもできないんだ」(後述)と唱える意義は一体どのようなものでしょうか?

yasuほどの人物でもやはり人は人ということでしょうか。

それと若い人へ向けたメッセージが込められているのかもしれませんね。

ところで他人の不幸は蜜の味、人間は嫉妬深い生き物ですよね。

それで救われたような気になる、誰でも救われたいと願っているということになります。

慰めの言葉なんか要らないから
お前も同じ目にあえばいい

出典: in the Mirror /作詞:林保徳 作曲:林保徳

前節の「あう」は「会う」であったのに対し、ここでは「あう」としています。

「こんな目にあう」、普通は「遭う」か「合う」の方が一般的な気がします。

「会う」とすることで「人に会う」のニュアンスに近づけたのかもしれません。

つまり、「こんな目」は人間関係のトラブルです(文脈からもですが)。

人の不幸は、「会う」でも「遭う」でも構わないから平仮名なのだと予想できますね。

わかってるんだ でも できないんだ
鏡の中の俺が言う
「わかるか?この浅ましい男(やつ)がお前」
思わず目を背けてしまった その哀れな姿に
このまま自分を嫌いになりたくないよ

出典: in the Mirror /作詞:林保徳 作曲:林保徳

弱い自分を隠さずさらけ出しちゃうyasuってとても素敵です。

わかってはいてもできないのが人なら、わからなくてもできるのが人ともいえます。

そして、やっぱり誰でも感じたことのありそうな「でもできない」はいつになったらできるのでしょうか?

今は自分が嫌いかもしれないけど、いつか好きになりたいということです。

嫉妬とは、自分を大切にできない感情だからではないかと思います。

もっとあなた自身を大切にしてほしいというメッセージを逆説的に述べています。

個人的には天邪鬼なパラドックスは大好物です(誰にも聞かれてませんが)。

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素直になれない自分がイヤ!

なぜ俺だけこんな目にあう?教えてくれよ
何一つ上手くいかない毎日が 俺を黒く染め
挙げ句他人(ひと)の優しさが 鼻について
差し出された手さえ払いのけて また堕ちていく

出典: in the Mirror /作詞:林保徳 作曲:林保徳

救いを求めているのに、差し出された優しい言葉を拒んでしまうのは一体何故でしょうか?

プライドが高いからです。と一言で済ませたいところですが、ここにも嫉妬と甘えという二つの感情が垣間見えます。

余談になりますが、「甘え」という英単語はないそうで、日本人特有の感情だそうです。

差し出された手を繋ぐのも「相手の厚意に甘んじる」のなら、拒んで駄々こねるのも「甘えん坊みたい」ですよね、結局「甘えてる」ことには違いありません。

でもどうせなら、突っぱねて払いのける方が自分にあっていると感じるのは、やはりプライドのせいでしょうか。

憐れみの言葉をかけるくらいなら
バカな奴だと笑ってくれ

出典: in the Mirror /作詞:林保徳 作曲:林保徳