この楽曲の冒頭で「始まり」の出来事を思い出していた主人公。
ここではその「始まり」というものが運命であったと考えているのでしょう。
運命というのは何処かからもたらされるものというイメージがあります。
自分たちに対して何か見えない力が働いてあるべき場所へとたどり着いた。
それは何処か神秘的な体験であるとさえ感じられます。
3行目の「光」という言葉が表しているのはそんな運命の行く先です。
その「光」というのは主人公たちの歩いていく道を指しているのでしょう。
運命に導かれた彼女たちは、道の先にある未来が明るいものであると確信しています。
その確信は今までにあった思い出の数々によって得られたものだと考えられるのではないでしょうか。
今まであった辛いことも苦しいことも今の自分たちに繋がっている。
その自信が希望という名の「光」を彼女たちの物語にもたらしているのでしょう。
放浪する思い出
心が通じ合う
色んな表情 満ちる度に
思い出が咲いて 心を彩る
出典: ランブリングメモリー/作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:岩橋星実(Elements Garden)
ここではお互いを知り尽くしているからこその言葉が書かれています。
もしも2人の間に過去が無ければその人の表情を見て昔のことを思い出すこともありません。
しかし長い年月を経てお互いの様々な表情を見ているからこそ、そこから関連した思い出が湧き出てくるのです。
泣いているや笑っている顔を見ると、その一瞬一瞬の表情がこれまでの積み重ねてきた日々を教えてくれる。
お互いの心が通じ合っているのを感じる表現です。
「ランブリング」の意味
ランブリングメモリー
どんな毎日も
ランブリングメモリー
笑顔で溢れているよ
出典: ランブリングメモリー/作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:岩橋星実(Elements Garden)
サビでは、タイトルでもある「ランブリングメモリー」というフレーズが出てきます。
「ランブリング」は英語では「rambling」。
和訳すると「ぶらぶらする」「放浪する」というような意味があります。
「メモリー」までを合わせて無理やり日本語で表すなら「放浪する思い出」となるでしょう。
ここから分かるのは思い出の中の彼女たちはあてもなく旅するように過ごしてきたのだということ。
これは目的がないことを指している訳ではないのでしょう。
どちらかというとここでは回り道をしながらも前へ進んでいるようなニュアンスを感じます。
夢へ向かって一直線ではなく紆余曲折がありながらも前へ進む。
そして主人公たちはそんな日々を楽しんでいるのでしょう。
例え苦しくても大切な人がいれば大丈夫だというような心の声が聞こえてきます。
この曲を演奏するAfterglowもそうやって毎日を駆け抜けてきたのでしょう。
どんなことがあっても笑顔でいられるのは周りのメンバーと励まし合えるから。
自分1人ではないからこそ成し遂げられる未来が彼女たちにはあるのです。
それを信じているからこそ、彼女たちの思い出にはいつも笑顔が溢れているのでしょう。
私たちの宝物
永遠の絆
過去も現在も未来だって(Ha-a…)
繋いでるものは
あたしたちの(たったひとつの)
果てない絆 …歌い続けよう
出典: ランブリングメモリー/作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:岩橋星実(Elements Garden)
ここでは永遠に続いていく絆について言及しています。
この楽曲の冒頭で表されていたある1つの思い出が過去の始まりの地点だとします。
主人公たちにとってそこからずっと続いているものというのは思い出だと考えられるでしょう。
彼女たちにとって絆というのは、思い出という言葉にも置き換えられます。
やはり主人公にとっては時間の積み重ねが今の原動力となっているのでしょう。
その中にはきっと苦い思い出も含まれているに違いありません。
それでも前に進めるのはそういった苦しみも信頼によって乗り越えられるという気持ちがあるからでしょう。
経験がもたらした言葉
昔から 色褪せず輝く瞳が
柔らかく(Ha-a)弧を描き(Ha-a)
そっと手を握る
肩寄せ合い交わした 熱い想いたち
ぶつかっては(Ha-a)紡がれ出す(Ha-a)
かけがえのない言葉
出典: ランブリングメモリー/作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:岩橋星実(Elements Garden)
ここの歌詞もAfterglowのメンバー達のことだと考えることで理解が深まります。
ここでは「始まり」からずっと変わらないままの情熱を意味しているのでしょう。
彼女達の「音楽が好きだ」という気持ちは今までずっと変わらずにいる。
その想いから今まで意見がぶつかったりしたこともあったのでしょう。
しかしそれはお互いに同じくらい音楽を愛しているという気持ちがあるからこそなのです。
同じ想いで喧嘩するほど熱くなれる仲間と一緒に居られることが彼女達にとっては宝物なのでしょう。
そしてそんな風に紡ぎ出された言葉。
自分たちの経験によって裏付けされたその言葉達にはリアリティが宿ります。
リアリティというのはその言葉に説得力を与えるのです。
嘘偽りのない言葉はきっと多くの人に届くものとなることでしょう。
音楽という絆
耳を澄ませ 聴こえたのは
この先も ずっと共にある音楽
出典: ランブリングメモリー/作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:岩橋星実(Elements Garden)
ここでいっている「音楽」というのはどういったものか。
その答えには前述の歌詞のパートが関係してくるのではないでしょうか。
彼女達は自分たちの言葉によって歌詞を作り上げました。
そしてその歌詞によってできた音楽というのは彼女達自身の音楽です。
それは勿論、自分たちで作詞作曲したという意味でもあります。
しかし更に踏み込んでいえば、その曲に込められたのは彼女達自身の思い出や存在そのものだといえるでしょう。
ここでいう変わらずにあり続ける音楽というのは、彼女達の絆を意味しているのではないでしょうか。
絆というのはどのような未来になろうと消えないものです。
彼女達は、自分たちの今までが込められた曲を永遠に消えない絆の証だと考えているのでしょう。