過去に想いを馳せながらも動き出した現状

抱いていたディザイア 消したい災いが
非のないところに常識などない
抱いていた現在が後悔を睨んだ
どうせ灰になるから僕を見てくれ

出典: ディザイア/作詞:エンドウアンリ 作曲:エンドウアンリ

「ディザイア」とは日本語で「願望」「欲求」を表す言葉です。

ここでは、曲の流れから主人公が内に秘めていた本当に望むもののことを表しているのでしょう。

誤りが存在するからからこそ正しさの定義が明確化され、そこに常識が生まれる。

そうわかっているうえで現在からみる過去の過ちを惜しく思う主人公の姿は痛々しく響きます。

最後の行のフレーズでは覚悟のようなものを感じ、動き出した物語の展開への期待を煽ります。 

行き場のない感情にもどかしい思い

君の火は消え 正念は燃え
届かない声 募るもどかしさで壊れて
相も変わらず今日も
行く宛のない喜怒哀楽

出典: ディザイア/作詞:エンドウアンリ 作曲:エンドウアンリ

ここで歌われる君というのは人というよりも出来事を表しているととることができます。

事件ともいえるある出来事は時間の経過により人々の記憶から薄らいでいきました。

そんな中では人々が真理を突き詰めようという気運も下がっていったようです。

しかし、主人公の熱は冷めやらずもどかしさを感じる日々を悶々と過ごしているのがわかります。

怒りや哀しみもどこにぶつければよいのかわからず、孤独な思いも味わっているようです。

過去の出来事を何年経っても消化できないといった経験は誰にでもあると思います。

主人公はその出来事に捕らわれながらもこれからを変えたいと願っているようです。

決して消えることのない強い思い

意識は爛れている
陽炎のように静寂で
それでもまだ夢見れる
揺れる 触れる希望

出典: ディザイア/作詞:エンドウアンリ 作曲:エンドウアンリ

怒りや悲しみや孤独感によって意識は爛れ、自分は何をしているのかわからなくなってきたようです。

物事への感覚は薄まり、静かに冷めきってしまった様子。

しかし後半二行では、それでも途絶えることのなかった主人公の熱い思いが再び湧き上がる様を表しています。

一度消えかかったように思えた希望も消えてはおらず、再び強く渇望する主人公の姿。

ここでは思いがいかに強いかが伝わってきます。

負けそうになりながらも覚悟を見せる

待っていた時代が 消したい災いを
引きずり戻し身体に逆らう
抱いていた現在が後悔を睨んだ
どうせ灰になるから僕を見てくれ

出典: ディザイア/作詞:エンドウアンリ 作曲:エンドウアンリ

一行目最初のフレーズでは、主人公の働きかけにより少しずつ状況が好転してきたと読みとることができます。

しかし、そんな中でもふとした出来事で過去の出来事がフラッシュバックされ、後悔でいっぱいになるようです。

しかし、また強く戦っていく決意を表します。

守りたい人悲しませたくない人に向けての言葉ともとれる最後の一行は力強くも切実で胸を打つものがあります。

動き出すことで感じた生きている感覚

血の味がして良かった
舌が燃えるような
甘い期待 ただ待っていた
淡い願い 漂っていた
弱い心 見つめていた
黙ることは出来なかった

出典: ディザイア/作詞:エンドウアンリ 作曲:エンドウアンリ

一行目は自分の欲望に忠実に行動をすることで生きていることを実感できたことを表しているのでしょう。

自分の本当の気持ちを無視しながら過ごすのはあまりにも退屈で生きた気がしなかったととることができます。

行動しなくても何かのきっかけで変われるのでは?と期待していた日々。

しかし、思いは抑えきれず主人公は動き出しました。過去の弱い自分の姿はもうありません。