誰かのことを想うようなフレーズが登場します。
その相手はどこか遠くにいるようです。
しかしその相手と何かを共有したいという主人公。
一体何を相手に送りたいのでしょうか。
恐らくですが、これは「思い出や優しさ」でしょう。
過去を示す言葉が使われていることから、相手は同郷の仲間とも考えられます。
その相手に、ふと思い出してもらいたい昔の思い出や過去。
そして昔、一緒に感じた暖かい優しさを届けたいのです。
成長の過程や何かの都合で離ればなれになってしまうことは、誰しもよくあります。
そんな相手へ向けられた言葉とでもいうべきでしょうか。
主人公の思いやりが感じられますね。
人は物理的な距離が離れると、心の距離も疎遠になってしまうことがあります。
しかしこの歌詞ではそういったことを一切感じさせません。
いくら場所が離れていようとも、固い友情がある。
そんなことを示唆しているようにも思えます。
今を駆け抜ける
時が僕らを急かして
鼓動がスピード上げてった
出典: 波風サテライト/作詞:西村晋弥 作曲:西村晋弥
ここではどこか、行き急いでいるような表現が登場します。
これは一体どういう意味なのでしょうか。
恐らく、どんどん早まる時間の感覚を示唆していると考えられます。
人間は年齢を重ねるほどに、1分1秒を短く感じるようになる生き物です。
そのため大人になると、幼い頃や学生時代のように時間を謳歌することが難しくなります。
昔と同じように時を歩もうと思えば、自分も急ぐ必要があるのです。
これが大人の忙しなさの原因でしょう。
そして生きる目標や、成し遂げたいことがある人ほど時間が足りなくなるのです。
そのため、主人公は走ります。
心臓を高鳴らせて、今という時間を駆け抜けるのです。
生き方の理想
希望を求めて
夢の中で目覚めても
同じ光を探した
輝く星空の下
数え切れない星座と影
眠れない夜たどって
かすかな響き求めて
出典: 波風サテライト/作詞:西村晋弥 作曲:西村晋弥
1つの目標に向かって疾走する曲中の主人公。
主人公は寝ても覚めても同じ未来を見据えています。
確たる意志の強さは、まるでナルトさながらですね。
がむしゃらな様子も、非常にリンクします。
しかし同じ目標を持ち続けるのは容易ではありません。
他人や環境に惑わされることもあるでしょう。
自分自身の眼が曇ってしまう時もああります。
しかしそんな中でも主人公は、同じ気持ちを持ち続けているのです。
ごくわずかな目印を頼りに、いつも同じ未来へ進んでいきます。
この目印こそが、主人公のいう「光」です。
主人公の希望とするものと考えていいでしょう。
つまり光は、主人公を導く存在と考えられます。
捨て去りたいものとは
出会いと別れを繰り返してもなお
僕はこんなにも子供のままだ
淡いイメージなんて
道端に放り投げてしまえたらな
出典: 波風サテライト/作詞:西村晋弥 作曲:西村晋弥
主人公の心持が順風満帆かといえば、そうでもないようです。
時に挫折や悔しい思いをするのは付き物。
全く難なく目標を成し遂げられるというのは、むしろ少数派でしょう。
ここの歌詞で主人公は葛藤をしているようです。
歌詞を見ると、自分へのもどかしさが感じ取れます。
周囲が着々と成長していく中、出遅れる自分。
もしくはそう思っているだけかもしれません。
いくら経験を積んでも、知識を増やしても、自分が幼く見えてしまうのです。
「もっと早く成長したい…。」
主人公のそんな声が聞こえてくるようです。
ここで捨て去りたいものとは、おそらく自分の未熟さでしょう。
大人になって割り切ることができずにいる、自分の幼さともいえます。
高い理想を臨むがゆえに、どちらも切り捨てられない。
しかしそれが優しさや思いやりであることもしばしば。
仲間や人間関係のことで葛藤するナルトも、一度は願ったことでしょう。
主人公はどこへ
かけがえのない時間に気付く
次に君に会うときは
もつれた糸をほどいて
飽きるまで話をして
出来るだけ笑顔でいよう
出典: 波風サテライト/作詞:西村晋弥 作曲:西村晋弥
主人公は離れた場所にいる友に想いを馳せています。
そしてまた再び会えることを願っているようです。
歌詞を見る限り、友との関係は少々こじれている様子。
別れる前に何か、いさかいがあったのでしょうか。
それともただ気まずさがあるだけかもしれません。
なんとなくわだかまりがある、ということですね。
アニメの作中で里を一時的に抜けたサスケを想う、ナルトとリンクします。
別れた時には気まずい2人でした。
しかし今度再会する時には、同じことにはならないでしょう。
主人公は友と過ごす、かけがえのない時間の大切さが分かったのです。
小さなことで争わず、共にいる時間を出来るだけ大切にしたい。
そんな主人公の想いが伝わってくるようです。