”この脈打つ心臓を見てくれ”、つまり、脈を打つ心臓の鼓動が、”あなた”への想いを表している。
”あなた”という存在があるからこそ、”僕”の心臓は脈を打ち、生きているのです。
”あなた”がいなければ僕は死んでしまう、つまり、”あなた”の存在こそが”僕”の命の要となっているのです。
”あなた”が存在し、想う気持ちが”僕”の命をつないでいる。
つまり、想う気持ちこそが”僕”にとっての心臓となっているのです。
2番
あなたのような人にいつかなると僕は心に決めたけれど
どうやらなれそうにもないよ
百年たっても千年たっても ずっと ずっと ずっとその先も
あなたを見てることでしょう
出典: 心臓/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
”あなた”をずっと想い続けるという気持ちの込められた、真っ直ぐで純粋な歌詞ですね。
『心臓』は、あまりにも強すぎる愛が印象的とも言われています。
”百年たっても千年たっても”というところからは、死んでも愛し想い続けるという風にも解釈できます。
”あなた”の存在こそが”僕”の命、”心臓”となっているため、たとえ死んでからもすべてを”あなた”に捧げられる。
そんな強い愛が確かに感じられる部分もありますね。
そして僕に歌う力が 残っているのならば
あなたのところに 必ず届けにゆくよ いいですか
出典: 心臓/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
”あなた”への想いを、歌を使って届けたい。
そんな風に感じられる歌詞です。
これは、”五体が届かなくとも”というサビとも繋げられるように感じられます。
”五体が届かなくとも”、この歌を使って、”あなた”への想いを伝える。
”あなた”を想い脈打つ心臓を、歌に表現して伝える。
そういったことを、この歌詞では歌っているのではないでしょうか。
遠くにいる大切な人を想って歌った曲?
この歌はただ”あなた”への恋心だけではなく、遠くにいる大切な存在に向けて歌った歌のように感じられます。
たとえばサビの歌詞にある、”五体が届かなくとも”という表現。
これは、遠くにいる存在に向けてだからこその歌詞ではないでしょうか。
体は会いにいけなくても、たとえ触れられなくても、”あなた”を想えばこの心臓は脈を打ち、”紅く染まる”のです。
1番の歌詞からも、遠く離れた人への感情が書かれているように感じられます。
たとえば”あなた”が”僕”に言った”「強い人にはならないでね」”という言葉。
これは、離れてしまって、私なしで生きていけるような強い人になってほしくない、という意味に感じられます。
そして”僕”は、離れてもやっぱり”あなた”が”僕”のすべてで、強い人にはなれないよと答えているのです。
届かないからこそ、歌にして伝える
”僕”は、遠くにいる”あなた”に届くように、想う気持ちを歌にしたのではないでしょうか。
”あなたのもとへ走るよ”というのは、この歌が”あなた”のところに届くようになるために走る。
そういう風に感じられるのです。
この歌が遠い存在にも届くようになるために、足がもげても音楽の道を走り続ける。
「心臓」とは?
曲のタイトルともなっている「心臓」。
曲中の歌詞では、”あなた”を想う気持ちを”心臓”と例えているように読み取ることができます。
この「心臓」とは、”僕”にとって何なのでしょうか。
歌詞の最後
僕は… 君は… 僕の…
心臓
出典: 心臓/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
この歌の最後は、このような歌詞となっています。
”君は僕の心臓”。”君”こそが、その存在が僕にとっては”心臓”のようなもの。
命の要となっていると読み取れます。
この歌そのものが「心臓」となっている
ここで表現されている「心臓」とは、この歌そのもののことではないでしょうか。
体が届かなくても、この歌で、想う気持ちを伝えたい。
”あなた”を想うだけで脈を打つ心臓を、歌にして表現した『心臓』。
この歌は、”あなた”を想う気持ちそのものであるように感じられるのです。
つまり、”僕”にとってはこの歌こそが「心臓」となっているのです。