歪んだ世界に生きる2人
モノクロとセピア色が交わる映像が印象的な「Rose」のMV。
ダンサーの中心で踊るluzさんは、どこか官能的な表情を浮かべているように見えます。
女性目線で語られる歌詞は、luzさんの透き通るような高音と絶妙にマッチしていますね。
MVで1人の男性を見つめる主人公は、身をほろぼすような恋に堕ちているのです。
薔薇のような棘をもった「貴方」
出会って one time
貴方だけと知った
見つめて two time
棘に触れた
出典: Rose/作詞:luz 作曲:luz
「one time」、つまり初めて会った瞬間から、「貴方」に恋をしている主人公。
胸の高鳴りに身を任せ、どんどんと引き込まれていくうちに、彼には大きな棘があったことに気がつきます。
まるで薔薇の花のように、一見美しい外見の中に棘を隠し持っている彼……。
好きになってはいけない、と頭が警戒しているにもかかわらず、心は言うことを聞いてくれません。
そして主人公は、ついに彼の棘に触れてしまうのです。
本当は「イケない」関係
愛し合って three time
この歪んだセカイ
イケないことないでしょ?
"je vois la vie en rose!"
出典: Rose/作詞:luz 作曲:luz
想いを伝えた主人公は、無事に彼に受け入れてもらうことができました。
まるで運命のように愛し合う2人ですが……そこには黒く歪んだ想いが渦巻いています。
彼と繋がったことを喜びながらも、薄々この関係は危険だ、と感じ続けている主人公。
その考えを打ち消すように、薔薇色の彼に飲み込まれていきます。
共に朽ち果てろ
嘘のような綺麗事を並べてみる
My love...「敬うように愛し、分かち合って」
Liar... All I need is you
出典: Rose/作詞:luz 作曲:luz
主人公の愛情を表すようなセリフが歌われています。
実はこの楽曲中に、数々の「薔薇の花言葉」を散りばめているというluzさん。
この部分は6本の薔薇の花言葉「お互いに敬い、どんな時も支え合おう」という意味が込められています。
自らが愛する分だけ、彼にもまっすぐに愛してほしい……。
主人公の切なる願いが感じ取れます。
しかし、そんな願いは叶わないと分かっている主人公。
「嘘よ、貴方がいればそれだけでいいの」と言い直しています。
わがままを言えば、離れていってしまいそうな距離にいる彼。
だからこそ、本当の気持ちを隠したまま、ただそばにいることだけを願うのです。
「愛」や「永遠」以外に欲しいものとは
「愛」なんていらない
堕ちていきたいだけ
官能のdramaに蜜を注いでちょうだい
「永遠」もいらない
ザンコクな快楽
共に、朽ち果てろ
"je vois la vie en rose!"
出典: Rose/作詞:luz 作曲:luz
主人公が恋する彼は、誰が見ても「近づいてはいけない」と警告を出すほどの男性です。
それでも、1度恋に堕ちてしまった主人公のことを止められる人はいません。
「愛」も「永遠」も、無理だとわかっているからこそ、望まない……。
主人公が望むのは、彼と共に朽ち果てていくことだけです。
永遠に愛してくれなくても構わないから、ただいつまでもそばにいてほしい……。
その感情はまるで呪いのように、彼にのしかかって離れません。
彼にとって自分が、欲を満たすためだけの存在だったとしても構わない。
そんな主人公の強さと弱さが、同時に感じられるサビとなっています。