季節を意識した両A面シングル
代表曲が「さくら」や「夏の思い出」だったりするので、すっかり春から夏のイメージがあるケツメイシ。
実は冬を歌った名曲もある、オールシーズン対応のグループです。
冬にピッタリな2曲が聴けるお得なシングルで「冬物語」をリリースしました。
冬のケツメイシ♪
「聖なる夜に / 冬物語」(せいなるよるに / ふゆものがたり)は、2007年11月21日に発売されたケツメイシ16枚目のシングル。 初の両A面シングルである。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/聖なる夜に/冬物語
ジャケ写もカップリング曲も季節を感じさせます。
季節を問わず楽曲を切なく伝えるのはケツメイシに課せられた使命。
冬を迎えてその切なさに磨きがかかりました。
いつもと同じ、でもどこか違うケツメイシが綴った「冬物語」。
温かい飲み物を用意して、ゆっくりと解説を始めたいと思います。
恋はもう過去形
空から落ちてくる雪は、時にロマンを感じさせてくれます。
目の前にあるのは恋する2人に似合う、雪が舞う風景です。
隣にいない君の事
終わらない 冬の空から雪が舞い降る
終わったはずの 冬の恋が重なる
変わらない街に 白い粉雪が舞い降る
変わったのは 君がいなくなった事だけなのに
出典: 冬物語/作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ
空から落ちてくる雪が止まらない冬のある日。
落ちてくる雪を独り見ている歌の主人公の姿から歌は始まりました。
風に舞う雪は止まりません。今日は雪が積もるのでしょうか。
風に乗って舞いながら落ちてくる雪が主人公の心にも届きました。
手に取ればすぐに溶けてしまう雪ですが、心の中にある雪の形はそのままです。
これからまだ冬は続くのに恋は冬が終わる前に終わりました。
思い出になった恋は恋をしていた時のままで心に残っています。
雪はまだまだ降るようです。僕が見ている雪でかすむ君のいない街。
君がいない寂しさが雪と共に積もっていきます。
1つ1つが作る物語
思い出す 君の囁き
思い出す 雪の輝きに
思い出す 君の温もり
思い出す 冬物語
出典: 冬物語/作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ
寄り添って歩いた君との思い出が1つ1つよみがえります。
忘れたくない思い出を心の中に並べて行けば、君への思いは募るばかりです。
周りに聞かれないように耳元で伝えてくれた「好きだよ」の言葉。
街に灯ったイルミネーションが2人のために輝いていたあの日。
腕を組んで歩けば寒さも平気。時が経つのも忘れて2人は歩きました。
2人の間の小さな出来事は、1つ1つが思い出です。
目次がまず思い出で作られた「冬物語」。
この後も恋をした冬のストーリーを、歌の主人公が独りで綴ります。
冬の夜空を見上げて
独りで過ごす夜
寒い夜 星が良く見える
なのに君の温もり 遠く消える
こんな日だから 君がいたなら
終わったはずの恋を今更
思い出すはず 戻りたくなる
その度に 心痛くなる
雪と重なって 絡まって
語らっていた思い出が まだあって
出典: 冬物語/作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ
秋から冬は別のイベントが主流になりつつあるとはいえ、やっぱり気になるのがクリスマス。
特にクリスマスイブは誰とどこで過ごすのかが、無意識で頭の中を行ったり来たりします。
夜空を見上げる歌の主人公の目に見えているのは瞬く星。
クリスマスツリーのてっぺんにつける星の様に見えます。
歌詞にはクリスマスという文字は出てきません。でも「こんな」とつけた日は、君と一緒に過ごしたい日です。
2人で歩けば感じる温もりが今日はありません。冷え切った空に星が瞬くだけ。
続かなかった恋が残していった後悔が胸を締め付けます。
2人で過ごした日々が過去になっていくのが、これほど辛いとは思っていませんでした。
あの日雪の中を歩きながら2人は、この冬を特別な日もそうでは無い日も一緒に過ごす約束をしたのでしょう。
まだまだ続く冬を思い出の中だけで過ごす歌の主人公。辛く悲しい後悔が雪の様に続きます。