「Dearest, Dearest」はどんな楽曲?
今回ご紹介する楽曲はluzさんの「Dearest, Dearest」。
2017年6月27日に発売されたアルバム「Reflexion」に収録されています。
luzさんといえばセクシーで甘い歌声が魅力的。
ところが、この楽曲は一味違います。
ヘヴィな曲調からは、色っぽさだけでなく男らしい勇ましさがにじみ出ているのです。
ズシリと重たい音色はラウドロックやヴィジュアル系を彷彿とさせます。
この激しいサウンド、ライブで盛り上がること間違いなしでしょう!
そして今回解釈していく歌詞。
すごく苦痛に満ちた歪んだ愛情を描いています。
裏切りを受けつつも愛し抜いた末に導き出した結末には、胸が痛むはず。
Live映像がとっても楽しそう!
こちらはアルバムリリース後に行われたLiveの映像。
ズッシリとしたギターのバッキングとメタル調のドラム…ライブ会場で聴くとすごい爽快感でしょう♪
半音などの不安定なメロディラインが楽曲にダークな要素をプラスしています。
そして何より魅力なのが観客と繰り広げる「コールアンドレスポンス」。
luzさん自ら観客に呼びかけ、最後はluzさんと会場が一体になって声を出しています。
さらにコーラスのシャウトが、またいい味をだしているのではないでしょうか。
見ていたら、一緒に会場に混ざって大声で叫びたくなってしまいました…(笑)
それでは、次は歌詞の解釈に移っていきましょう。
「貴方」からの裏切り
意味深なフレーズ
「世界一大事な人」って いつか言ってくれたの覚えてる?
このままいつまでも なんて本気で思ってしまう程
嬉しかったよ
出典: 作詞:堀江晶太、luz 作曲:堀江晶太
とても素敵な言葉から始まりました。
…しかし、これは過去の発言のようです。
言葉の節々からは「皮肉」な意味合いすら感じられます。
このフレーズには単純に「嬉しい」では済まされない、深い意図が隠されている印象を受けますね。
歌詞を読み進めて、その真相を紐解いていきましょう!
皮肉じみたメッセージの真意は?
(Dearest, Dearest) ヒトは心を喰らうモノと
(Dearest, Dearest) 貴方が僕に教えた
(Dearest, Dearest) 選んでくれて どうもありがとう
いいよね もういいよね
醒めない夢なら
出典: 作詞:堀江晶太、luz 作曲:堀江晶太
タイトルにもなっているこの「Dearest」という英語。
「親愛なる人」や「愛しい人」という意味があります。
先ほどのフレーズで主人公に「大事な人」と発言した人物へ向けた言葉でしょう。
でも、ここでの「親愛」もちょっと皮肉な意味合いで使われています。
「人は裏切るものだと教えてくれてありがとう。」
「わざわざ僕を選んで痛めつけてくれてありがとう。」
そんな単なる感謝とは思えないニュアンスに聞こえます。
そして、もう主人公の心が限界であること。
現実逃避したいくらいであることが、最後のフレーズから読み取れます。
「貴方」からの裏切り
ねえ 最愛なんて嘘だろ
なあ 何回だって言えんだろ
何故僕達 出逢ってしまったの
絡め合う度に また優しい
僕じゃない誰かの代わりでも
出典: 作詞:堀江晶太、luz 作曲:堀江晶太
「貴方」は主人公に「愛の言葉」を何度も伝えていたようです。
それも、主人公が「一番」だと。
ところが主人公はあることに気が付いていました。
最後の行に注目してみましょう。
「代わり」…つまり他に本命がいて、主人公の優先順位としてはその下。
主人公は「貴方」にとって決して1番大切な存在でなかったのです。
それを隠して何度も重ねた「愛の言葉」。
「口先だけでは何とでも言える」と身をもって経験したのですね。
これは深い人間不信を招く経験だと思います。
相手から向けられる優しさも素直に喜べない。
だって、その行動は嘘を孕んでいるから。
だからといって、愛おしい気持ちからその優しさを求めてしまう。
歌詞を見ているだけで虚しい気持ちが湧き上がってきますね。