阿部真央【17歳の唄】

デビューアルバム収録曲

阿部真央【17歳の唄】歌詞の意味を考察!押し寄せる不安はどうすれば消える?これが大人になるってこと?の画像

2019年、デビュー10周年を迎えたシンガソングライター・阿部真央

ティーンの代弁者として多くの若者から支持されてきました。

今回は、彼女のデビューアルバム「ふりぃ」から楽曲【17歳の唄】をご紹介。

このアルバムについてWikipediaでは以下のように記載されています。

アルバム全体のテーマはアルバム名の通り『自由』。アルバム名は『自由に曲を作って、自由に歌わせてもらって、それを自由に詰め合わせた』ことからつけられた。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ふりぃ

17歳といえば、多くの人が高校を卒業する時期。

まだ周りの大人たちから縛られている子供でもあり、もうすべてが自由な大人でもある歳です。

【17歳の唄】はそんな若者が抱える心の葛藤を見事に表現した楽曲

ですが、大人のみなさんも何か心に刺さる部分がきっとあるはずです。

ちなみにデビュー10周年を記念したアルバム阿部真央ベスト」にも、この楽曲は収録されています。

そちらを手に入れた方はDISC1の5曲目に収録されていますのでぜひ聴いてみてください。

9年の時を経て、映画『虹色デイズ』の挿入歌に!

作品との親和性に注目

阿部真央【17歳の唄】歌詞の意味を考察!押し寄せる不安はどうすれば消える?これが大人になるってこと?の画像

【17歳の唄】が収録されているアルバム「ふりぃ」は2009年にリリースされたもの。

当時、この楽曲は特に他のエンタメ作品とタイアップしていませんでした。

しかし、そこから9年の時を経て映画『虹色デイズ』の挿入歌に起用され、話題に。

この映画は『別冊マーガレット』で連載されていた同名の漫画が原作となっています。

恋愛や進路で悩む男子高校生たちを描いた、この作品。

何故、今頃【17歳の唄】を起用したのか?と思われるかもしれません。

けれど映画を観た方なら、この楽曲が作品の内容と非常にマッチしていることが分かるはず。

登場人物たちの大人になることへの不安や迷いが、そのまま反映されているような歌詞に注目です。

大人になることへの不安

それでは1番から歌詞をご紹介します。

タイトル通り、この楽曲の主人公は17歳の若者。

子供から卒業しなければいけない時期だからこそ、主人公には不安がたくさんあるようです。

こみあげる恐怖

不意に寂しくなりました。孤独であるわけではないのに
ひとりぼっちの部屋でうずくまってたら 急に思ったよ
「泣きたい」
不意に不安になりました。明日はどうなるのかと
ひとりぼっちの部屋でうずくまってたら 急に思ったよ
「泣きたい」

出典: 17歳の唄/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

大人になる一歩手前まできた主人公。

早く大人になりたい!と思う若者もいるかもしれませんが、主人公は希望よりも大きな不安を抱えています。

子供の頃は大人よりもかなり不自由でしょう。

何を契約するにも大人の同意が必要でお酒もタバコもダメ。夜遅くまで外にいたら補導もされます。

けれど、その分間違いを起こしたら周りの大人たちが責任をとってくれる守られた存在

これからは自由を手にする代わりに、責任はすべて自分でとっていかなければいけません。

そんなことを考えていたら、主人公の心に大きな恐怖がこみあげてきました。

すんなり大人の世界に順応できる人ばかりではないはず。

主人公と同じように大人になることへの不安を抱えていたという人もいるのではないでしょうか。

正しさの基準

『もう子供じゃないんだから』たくさんの声が耳を刺すよ
そんなに言われても怖いんだ 分からないよ 何が正しいの?
泣いてるんだよ ひとり 泣いてるんだよ

出典: 17歳の唄/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

これから先の将来が不安で堪らない主人公。

そんな主人公に周りの大人たちは身も蓋もない言葉をかけます。

大人の世界では、周囲にマイナスな感情を出すことはマナー違反。

怒ることは時に必要でも泣いたり喚いたりするなんてもっての外…そう思っている人は多いでしょう。

それが常識だと思っている大人たちは、主人公が不安を抱えていることに呆れているのです。

けれど、学校でも家庭でも正しさの基準は誰も教えてくれません

何が正しくて何が間違っているかは人それぞれ。

正解がないのに、間違ったら責任をとれなんて若者からしたら理不尽に思えるでしょう。

その気持ちを大人になったら忘れてしまいます。

だから、大人の誰もが怖がっている主人公を慰めてはくれないのです。

大人になるということ