世界へ日本のポップカルチャーを発信し続ける秋葉原発の女性アイドルユニット「でんぱ組.inc」
「でんぱ組.inc」は、古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、藤咲彩音の5名の女性で構成されるアイドルグループです。
日本にはたくさんのアイドルグループがありますが、一般的なアイドルと大きく違うのは、 「でんぱ組.inc」が電波ソングを中心に歌うアイドルであること。
電子音を多用し、情報量の多い歌詞が詰め込まれた電波ソングは、その独特のインパクトで日本だけでなく、世界各地のファンをも惹き付けています。
またメンバーそれぞれにゲームや、アニメ、漫画など得意なオタクジャンルがあることも特徴で、それぞれの個性がさらにユニットとしての魅力を高めています。
藤咲彩音は2011年12月に参加した第4期メンバー
現在は5名で活動をしている「でんぱ組.inc」。しかし最初からこのメンバーで活動していたわけではありません。
実は、「でんぱ組.inc」には前身となる「でんぱ組」として活動している時代があったのです。
東京秋葉原にあるディアステージで「でんぱ組」が結成されたのは、2008年12月。当時はまだ2人組のユニットでした。
その後2009年の6月に新たに2名のメンバーが加入し、古川未鈴、小和田あかり、相沢梨紗、夢眠ねむの4名のユニットとして「でんぱ組.inc」は結成されました。
その後2010年6月に成瀬瑛美と跡部みぅがメンバーに新たに加入し、2010年7月に小和田あかりが卒業します。
しかし就職を理由に跡部みぅが卒業してしまい、2011年12月に新たに加入したのが、藤咲彩音と最上もがでした。
そして、2017年の8月に体調不良を理由に最上もがが卒業。
このようなメンバーの変遷を経て、現在の「でんぱ組.inc」は、古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、藤咲彩音の5名で活動を続けています。
このため、藤咲彩音は「でんぱ組.inc」の中では一番新しいメンバーとなるのです。
藤咲彩音がでんぱ組.incのメンバーになるまで
現在では「ピンキー!」の愛称で親しまれる藤咲彩音。彼女は、どのような経緯ででんぱ組.incのメンバーになったのでしょうか?
そのきっかけは、なんと1歳になる前の赤ちゃんの時代にまでさかのぼります。
藤咲彩音は0歳からコスプレイヤーとして活躍
ゲームセンターで出会って結婚をしたという藤咲彩音の両親。彼らは、生粋のオタク精神を持ち合わせていました。
というのも、父親はコスプレに使用するレプリカの武器や小道具作りが得意。
さらに母親には、藤咲彩音のコスプレやダンスを将来に渡ってプロデュースできるだけの豊富な知識がありました。
このような両親の元で育った彼女は、幼いころからコスプレイヤーとして活躍していったのです。
そんな彼女の幼少時代を象徴するようなエピソードがあります。
なんでも彼女が人生で最も古い記憶は、東京ビッグサイトでの風景。
対戦型格闘ゲームの鉄拳に登場するキャラクターのコスプレをして、大勢の人にシャッターを浴びせられていたというのですから、すごいですね。
このような環境で育った彼女は、コスプレ会場のダンスパーティにも参加し、4歳からステージで踊るようになります。
そしてコスプレ大会にも参加するようになり、上位の成績を修めることで、自分が評価される価値に気づいていくのです。
ニコニコ動画の「踊ってみた」にピンキー名義で参加し人気者に
それは、藤咲彩音が中学2年生の時でした。
夜、母親にたまたま見せてもらったニコニコ動画の「踊ってみた」に、彼女は興味を抱きます。
この「踊ってみた」は、すでに発表済みの曲の振り付けをコピーして踊るという動画です。
そして、ニコニコ動画に参加しているユーザーが、ダンスの上手さをアピールしているわけではなく、単純に曲を楽しんでいる姿に強く心惹かれていくのです。
この結果、藤咲彩音は自分も2010年8月に「ピンキー!」という名前で、ダンスを投稿するようになります。
ニコニコ動画は、投稿された動画に対して、良い評価から悪い評価まで視聴者からの反応を知ることができることが特徴。
彼女にとって、視聴者からの反応はとても刺激的で、自分のダンスの良い部分と悪い部分を知るきっかけとなりました。
彼女が投稿するピンキー!のチャンネルは、次第に評判となり、8,000人以上の視聴者がお気に入り登録をしているほどの人気を集めました。
ニコニコ動画を見た「でんぱ組.inc」のプロデューサーが藤咲彩音をスカウト
藤咲彩音が高校を卒業して4カ月が経過した時でした。
当時ニコニコ動画を見た「でんぱ組.inc」のプロデューサー福嶋麻衣子が、彼女に興味を持ちます。
そしてTwitterを通じて藤咲彩音にスカウトのメッセージを送り、藤咲彩音の秋葉原ディアステージへの入店が決まったのです。
とはいえ、藤咲彩音は当初アイドルになることには乗り気ではなかったと言います。
当時はたまたまアルバイトの面接に連続して落ちて自信を失っていました。
このため、アイドルになるという具体的な目標よりも、お店で接客してみたいという軽い気持ちで、秋葉原ディアステージへ入店することになったのです。
その後も2011年10月に「でんぱ組.inc」への加入を打診されますが、「でんぱ組.inc」がすでに現在の5人でも完成されているように見えることや、学校を理由に藤咲彩音は断るつもりでした。
しかし、彼女の母親が学業に支障が無いのならば問題はないという考えでした。
また、藤咲彩音自身も自分をもっと進化させたいという気持ちがあったので、「でんぱ組.inc」のメンバーに加入することを決意したのです。