おごらない、たかぶらない…
その人なりが果たすべき使命に
ただひたむきであれと諭すのに
出典: 蒼/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
誰か他の人が大きな成果を上げた、成功を収めたという話に喜べない自分がいます。
そして誰かが失敗をした、地位を失うような結果になったという話には憐れみと安心が心で行き交うことも。
人が目指す場所は人それぞれです。自分より上にいる人が自分より優れている訳ではありません。
目指していた場所にたどり着くことが出来ないなら、もう一度やり直せば良いのです。
誰かが懸命に目標に向かっているのならエールを送ることが出来ますか。
落ち込んでいる人を見守ることは思ったよりも難しいことです。
ひたすら歩いている時こそ、立ち止まって周囲の景色を見る時間が必要でしょう。
強引な進み方で無理に追い越せば自分も怪我をします。
自分の進む道があるのなら真っ直ぐにその道を見つめることを…。
人を見下して上から目線で人を動かそうとしても誰も動いてくれません。
まず自分が一歩を踏み出しましょう。そうすれば必ず誰かが付いてきてくれます。
心も共に歩いてくれる人…長く続くバンドの「Mr.Children」はきっとコレで出来ているはずです。
自分が出来ることの限界を…
まず自分が変わらなければ人も変わらない、人生相談の回答で耳にするフレーズです。
でも実際に自分が変わっても自分がピエロを演じている気持ちになったりもします。
どうせ何も変わらないのなら…そんなあなたへのアドバイスが歌詞になりました。
それを知っておくのも重要です
静かに 静かに 夢はささくれ
届かぬ 祈りに 胸が暴れる
ただただ自分の身の丈を知らされ
出典: 蒼/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
「ささくれ」は別名「さかむけ」。爪の左右や根元辺りの皮膚が小さく剥けてしまう症状です。
小さいからといってその剥けてしまった部分を無理に引っ張るのは厳禁。
大きな傷に発展してしまうこともあるので注意が必要です。
「ささくれ」はトゲトゲした心理状態を表す言葉としても使われます。
歌詞の中でささくれたのは「夢」。自分の夢が輝きを失う現実に襲われたのです。
自分の夢への批判が周りでさざ波のように広がったのでしょうか。
一緒に夢を追っていると信じていたのに、裏切りが心を苦しめます。
浮かんだのは「自分が出来ることはたかが知れている」という半ばあきらめの言葉。
それでも何もしないのと、出来る範囲のことをするのは大きな違いがあります。
知ることになってしまった「身の丈」を味方にして無理なく次に進めば良いのです。
大きな声で決意表明をするより、決めたことは自分自身に言い聞かせましょう。
リスタートの邪魔をされないために静かに自分を見直します。
自分に忠実に
わずかばかりの譲れぬ誇りに
ただ正直であれと願うのに
出典: 蒼/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
ここまでまだ歌の主人公は悩みの中です。作詞家も一緒になって答えを探る歌詞が続きます。
丁寧に進むのは、自分に言い聞かせるフレーズ。葛藤は解決のために必要な行為です。
解決に向かうためには、迷いの中でも自分の心に忠実になること。
作詞家は自分に聞かせるための言葉をこの後も続けます。
絶対に譲れない自分の中にあるプライド、そこを曲げてまで自分を変えたくないだけです。
小さな願いや望みを背負って生きているだけなのに…。
非難の言葉だけしか聞こえてこないのはやはり自分が悪いのか。
言い聞かせる言葉が自分に問いかける言葉にもなっています。
大事な何かが無くなっていく
嘘は何のため?
静かに 密かに 嘘を重ね
淀んだ 時流れに 自由を奪われ
出典: 蒼/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
自分をごまかす訳ではありませんでした。誰かをだますことも自分には出来ません。
それでも重ねた「嘘」には何があったのでしょうか。自分に足りないものがあるのは分かっています。
不足を埋めるために偽りを伝えても、失うものの大きさに打ちのめされるだけです。
「時流れ」を「ながれ」と読ませます。見て見ぬふりで「時流」に乗ってしまうことを拒否をする自分。
でも結果は、自分の意志とは違う場所に流れ着いてしまうのです。
歌詞はこの後最後の言葉を残すだけ、でも作詞家は「蒼」の結論を出しあぐねています。
暗いままで「蒼」は終わってしまうのでしょうか…。