BUMP OF CHICKEN「Butterflies」

BUMP OF CHICKENのアルバム【Butterflies】DVDも見逃すな!歌詞つきの画像

2016年2月リリースのアルバム

「Butterflies」は2016年2月にリリースされたBUMP OF CHICKENアルバムです。メジャー6作目、通算8作目の作品になります。

バンド結成20周年という節目の日の前日に発売されました。

オリコン週間チャートでは1位を記録し、月間でも1位、年間14位という大ヒット作です。また、ランキング登場回数は70回と、息の長いロングヒットとなりました。

EDMの要素を取り入れたり多種多様な楽器をレコーディングで用いた、幅広い表現が特徴です。

実験的・挑戦的なサウンドが魅力的な、BUMP OF CHICKENの新境地が見えるアルバムに仕上がっています。

全部で3種類のバージョン

「Butterflies」には通常盤と2つの初回限定盤、合わせて3つのバージョンがあります。

初回限定盤AにはDVDが付属しています。「You were here」「ファイター」「パレード」「Hello,world!」「コロニー」のMVと2015年8月4日の横浜アリーナでのライブが全編収録されているという盛りだくさんの内容で、ファンにとっては嬉しいアイテムです。

また、初回限定盤Bには同様の映像が収録されたBlu-rayが付属しています。

リード曲「Butterfly」

アルバムタイトルとも繋がるリード曲「Butterfly」は、本作でBUMP OF CHICKENの見せた進化が特に大きく表れている曲の一つです。

EDMの要素が含まれるこの曲は、彼らのロックバンドとしての面だけでなく、新しい音楽を作り出すクリエイターとしての一面が大きく表れたものになっています。これまでの彼らとは雰囲気の違う表現は、ファンとっても衝撃的なものとなりました。

一見打ち込みビート中心のサウンドに思えますが、曲の中では軽快なスネアドラムや人間味のあるベースライン、繊細なギターリフなどバンドらしい要素が大きな役割を果たし、存在感を持っています。

まさに、EDMなどの電子音楽とバンドサウンドが融合した曲といえます。

無数のライトによる演出が印象的なMVにも注目です。荘厳で幻想的な世界観が生み出されています。

光の線が入り乱れる未来的な雰囲気も、楽曲の挑戦的な姿勢にマッチしていますね。

「Butterfly」の歌詞を紐解く

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羽ばたけない苦悩の時間

誰にも聞こえない悲鳴が 内側で響く
気付かないふりした人が 気付かれるのを待っている
いつか知った何かの言葉 重い鎧のように
この体を守るあまりに 動きを鈍くした
光らなくなった靴の事 忘れてしまった唄の事
失くさないで運んでいく やり方はないと決めている

出典: Butterfly/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「誰にも聞こえない悲鳴」という表現が曲の主人公の中にある苦悩を表しています。

踏み出すことができない。最初の羽ばたきができない。そんな気持ちが見える言葉が並びます。

「失くさないで運んでいく~」という表現には、変化を恐れる気持ちが見えます。

動き出したら、変わり始めたら昔大切だった何かを失くしてしまう。それらを失くさずに運んでいくことはできない。

そんな決めつけが羽ばたく勇気を奪っているのでしょうか。

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勇気を持てないままで

誰にも聞こえない悲鳴が 内側で響く
ため息 胸に手を当てさせたのは 誰だろう
明日生まれ変わったって 結局は自分の生まれ変わり

出典: Butterfly/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「ため息」の裏に見えるのは、どうせ変われはしない、という諦めの心です。

蝶のように別の姿に生まれ変わって羽ばたくことはできない、自分のままだと決めつけてしまっています。

全部嫌いなままで 愛されたがった 量産型
この心 自分のもの 世界をどうにでも作り変える
どういじればどうなるか 本当は ちゃんと 知っている ずっと

出典: Butterfly/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「量産型」という表現は自分に対する自虐的な評価でしょうか。

周りに愛されようとして、結局は面白くない、どこにでもいる量産型の人間になってしまった。そんな後悔が見えます。

世界をどう見るかは自分の「心」次第です。それは曲の主人公も分かっているのでしょう。

世界を作り変えることはできるはずなのに、それを知っているのに、動くことはできないままです。