「イキツクシ」はDADARAYの記念すべき最初の楽曲
今回ご紹介する「イキツクシ」は、DADARAYが初めて公開した楽曲。
2017年4月5日にリリースされたアルバム「DADAISM」に収録されています。
「イキツクシ」は2017年1月31日にYouTubeにMVが公開され、注目を浴びました。
というのも、活動休止中の川谷絵音が楽曲提供を行っており、話題性があったのです。
批判的な意見の人もいれば、美しい音楽の世界観に圧倒される人も。
そんな話題を呼んだ楽曲「イキツクシ」に迫ります。
DADARAYのコンセプトを知ることができる
DADARAYの奏でる音楽は「大人が楽しめる」味わい深い音色やグルーヴ感が魅力。
記念すべき1曲目の「イキツクシ」は、彼らのコンセプトを映し出していきます。
川谷絵音の生み出すシンプルなのに独特なメロディ。
「歌い手が変わるだけでも、こんなにも新しい世界観が生まれるんだ!」
そんな第一印象を筆者は感じたのを覚えています。
「イキツクシ」で歌われているのは、繊細で奥深い女性の恋愛に対する心情。
この特徴的なタイトルの意味合いも気になりますね。
川谷絵音の描く歌詞には霧がかった不明瞭な要素が多く含まれています。
真相を全て見せないのが、彼の作詞に対するこだわりなのです。
今回は歌詞から、込められたメッセージを解釈していこうと思います。
演奏シーンが素敵なMV
美しい演出
3人の立ち位置がすごく美しいですね。
向き合ったキーボードの間に2本のマイクのブームスタンドがクロスしています。
REISとえつこの女性2人で見つめ合いながら美しいハモリを見せてくれる様子は、他にない光景。
無意識に引き込まれてしまいました。
そして、その奥で休日課長がノリノリでベースを奏でています。
このベースの跳ねるリズムがオシャレでたまりません!
そして、演奏している空間の照明にも注目。
本人たちにスポットライトを当てるのは最小限にとどめ、間接照明でムードを出しています。
ほんのりできる影が、REISの表情にミステリアスで知的な雰囲気を生み出しているのです。
REISの眼差しに宿る心情
歌唱や演奏以外のシーンに移るREISの眼差しがとても印象的ですね。
呆然と眺める色褪せた目の奥に、深い感情が眠っているかのよう。
たくさんの経験を重ね、たくさんの悲しみを味わい、何かを悟っているような…。
そんな心情が読み取れる気がしました。
これはおそらく、楽曲の主人公が抱えている心情を表現したもの。
REISは歌声のみならず全身で楽曲の世界観を表現しているのだと思います。
「イキツクシ」に込められた意味が気になってきますね。
それでは、歌詞から楽曲に込められた想いを解釈していきましょう!
主人公の繊細な人柄
印象的なフレーズに込められた意味
取られても 取られても
行き尽くした気がするのよ
あたしは大丈夫だから
もう終わりにしない?
出典: イキツクシ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
美しいサビのフレーズから始まりました。
透き通る歌声にゾクッとしてしまいますね。
歌い切った後に始まる前奏のベースがとても心地いいです。
いったい「何を」取られたと言っているのでしょうか?
そして、「何を」終わりにしようと言っているのでしょうか?
歌詞を読み進めて、その真相を解釈していきましょう。
歌詞から見る主人公の人柄
何をしてても 素人だった
感情の幅だけは プロだった
交差点の中心で 寝そべる
夢ばかり 見ちゃった
出典: イキツクシ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音