「コワレモノ」THE BACK HORN
「バクホン好きなんすか!?意外ww」とまったく同じセリフをまったく違う人(3人)から言われたことがあるのですが、せやねんやっぱ好っきゃねん。
ベーシストの後輩ちゃんのスタジオ練習を聴きに行ってから、一瞬でバクホンにホレたのであります。
とくに筆者の最大の嗜好である重低音が効いているわけでもなく、好みの退廃的なエッセンスもない作品をつくるバンドではありますが、なぜこうも惹かれてまうのでしょうねほんま。
ということで本日はTHE BACK HORNの楽曲「コワレモノ」についてご紹介いたしましょう!
バクホン=ちょっと前の世代のバンド、というイメージもあるようですが、この作品は2014年リリースと比較的おニュー(死語)な曲。
正直なんでこんなに新しいことに挑戦し続けているバンドなのに古いとか言われるのかなあ…。ロクに聴かずに決めつけるのは勿体ないですよほんま。
とまあ早速ぶっちゃけてしまったわけですが、曲自体の鑑賞を楽しんでまいりましょう!
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昔のバクホンになじんでいる方はちょっと斬新な印象を受けるかもしれませんね。しかし時代の流れやニーズに沿った姿勢はまた素晴らしいものではございませんでしょうか。
文字数のつまったラップパートと、バクホンおなじみの爆発メロを両方楽しむことができます。動画の仕上がりは、リスナーのバクホンのイメージどおりではないでしょうか。
カップリングは春よ来い!?
「コワレモノ」は「シンメトリー」という楽曲と一緒に収録されたシングル曲なのですが、あのカバー曲も一緒にリリースされております。
そのカバー曲とは、なんと松任谷由実さんの「春よ来い」。「はーるよこいっはーやくこいっ」の方ではなく、「はーるよーとおきはーるよー」の方です。
これこそ「意外ww」ですよ。バクホンのカバーソングという時点でレアなのに、曲のセレクトもまた良いですな…。
歌詞を解釈
それでは、THE BACK HORNの楽曲「コワレモノ」の歌詞をご覧いただきましょう。
さて、彼らの表現している「コワレモノ」とはいったい何なのでしょうか?
体は一つの袋です その形状は心の形です
愛する形 愛される形 いじめる形 いじめられる形
みんなに埋もれず適度な自己主張
センス良ければなおさらいいけどクレーム言うなら俺にもできるぜ
自分自身じゃなにも出来ませんが何か?
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-140219-139
わたしたち人間は、肉体といういれものに入った生き物です。そしてその差異は心の在り方によります。
そしてほかの人と違うことを表現するためには、自分をよりよく演出することがひとつの方法です。しかし人の悪いところを非難して自分を格上とみなすこともでも差異を示すことはできます。
しかしよく考えてみてください。人の悪いところを指摘するなんて、誰にでも簡単にできるのです。その行動に個性なんてものは微塵も存在しないのです。
普通を自ら名乗る瞬間に普通じゃない人を羨ましがると同時に
心の何処かで見下すんだ
自分の言葉は他人の言葉で他人の言葉は自分の言葉で
とりあえず一人じゃ生きられない
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-140219-139
「普通」と「普通じゃない」のボーダーラインというのは非常にあいまいであり、「普通」がいいとノーリスクを求めても実際は「普通じゃない」ことを求めているものです。
自分は「普通」側だけど、「普通じゃない」側には行けないからなんか憎たらしいと。
そしてオリジナルの言葉を紡いだと思っても、だれかがすでに言っていることですし、だれかが言った言葉もまた他の人からのかりものの言葉です。
つまり完全なオリジナルなんてものは存在しないのです。人間だれしも、他者に頼って生きている状況からは抜け出すことができないのです。
みんなコワレモン
人気もんも嫌われもんもみんな仲良くこわれもんさ
怒りん坊 さみしん坊 甘えん坊 きかん坊に暴れん坊
いい善人 悪い善人 いい悪人 悪い悪人も
みんな愛しきこわれもんさ
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-140219-139
人間みな同じ穴のムジナ。
善悪やレベルで格付けしたって、管理職や職業の肩書を得たり名乗ったりしたって、肉体といういれものに入った魂であることは変わることのない事実です。
つまりどんなに個性を見出したって、どんなに特殊な性癖や嗜好があったって、どんなに他者を見下したって、結局はみんな同じ人間なのです。
愛すべき人たちではありませぬか。
俺と違う君を好きになるよに 人と違う俺を誰かさんが
好きになることもあるのかな
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-140219-139