ハードなのにクスっとさせられる!?主夫と主婦の日常を歌う「シュフノミチ」
生活密着型バンドが歌うからこそ共感できる「あるある曲」
ハードなバンド名からは想像もできない楽曲が人々の心をわしづかみにしているロックバンド・打首獄門同好会。
誰しもが一度は思う気持ちを歌にしてきた彼らが、またもや多くの人が共感できる楽曲を発表しました。
それが世の主夫と主婦が主人公の歌、「シュフノミチ」です。
「極主夫道」とリンクする歌詞
「シュフノミチ」は新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年4月に発表されました。
Netflixで独占配信されているアニメ「極主夫道」のオープニング主題歌として制作された本曲。
アニメ公開日にはオープニングムービーが先行配信され、ファンから絶賛の声が上がっています。
同年4月21日にリリースされた「こんなバンド名だけどいいんですか」にも収録。
同時収録の「極・夫婦街道」や「カンガルーはどこに行ったのか」も大人気です!
「極主夫道」は、極道の世界で最凶の伝説ヤクザ・龍が専業主夫として家事をこなすドタバタ人情コメディー。
主夫と主婦(まとめてシュフ)の日常を歌う「シュフノミチ」はシュフが共感する歌詞が盛りだくさんです。
曲中で歌われるように、シュフが身を焦がすほど攻める理由はなんなのか?
シュフを極めた先に何が得られるのか?
歌詞の詳細に触れながら読み解いていきましょう。
ありそうでなかった「シュフ」が主人公の歌
シュフは家族のために今日も奮闘する
《主夫/主婦》は攻める 不死身の如く 迫り来る家事に その身焦がして
《主夫/主婦》は守る 愛する家族を そして極めるは 《主夫/主婦》の道
出典: シュフノミチ/作詞:大澤敦史 作曲:大澤敦史
「シュフノミチ」はタイトルの通り、シュフが主人公の歌です。
昔の日本では「シュフ=主婦=女性」のイメージが強くありました。
しかし現代では男性が家事をメインで行う家族も増えてきたことから「主夫」という表記が一般化。
「主婦/主婦」「シュフ」と表記されているのは、シュフは性別を問わない存在ということを表しています。
シュフには休みがありません。
食事の支度や掃除、洗濯、ゴミ出しなどに毎日追われ、己の身を削って家事に奮闘しています。
その姿はまるで不死身人間のよう。
なぜそこまでシュフは奔走することができるのでしょうか?
頑張り続けられる背景には守りたい家族の存在があることは間違いありません。
詳細はAメロ以降の歌詞を解説しながら読み解いていきます。
目まぐるしく動き続ける世界=シュフの日常
まわる まわる まわる 今日も世界はまわり続ける
その時《主夫/主婦》は 洗濯機をまわしてる
かける かける かける 今日も誰かが命をかける
その時《主夫/主婦》は 丹念に掃除機をかけている
出典: シュフノミチ/作詞:大澤敦史 作曲:大澤敦史
時代遅れな考えではありますが、世の中には「家にいるだけの家事なんて楽勝」と考える人も少なからずいます。
しかしそれは大きな間違い。
止まることのない社会の流れは、家族の人数に比例して増える洗濯槽の回転のようなもの。
「何回洗濯しても終わりが見えない…」と悩むシュフは、世界の流れに翻弄するビジネスマンと変わりありません。
命を懸けて仕事をする人たちと同じように、シュフは家族の健康を守るために掃除機を入念にかけます。
このように、引用した上の4行の歌詞はただ「まわる」と「かける」をかけた言葉遊びではないことが分かります。
オフィスで働く人も、シュフも、変わらず日々全力を尽くしていることが表現されています。
スーパーという名の戦に出陣
時が過ぎゆく前に
決めないと 今日の晩ごはんを
行かないと スーパーに買い物を
《主夫/主婦》の 家事(たたかい)はまだ終わらない
出典: シュフノミチ/作詞:大澤敦史 作曲:大澤敦史
Bメロは、晩ごはんのメニューに悩まされながら混雑したスーパーに赴くシュフの様子が描かれています。
家族の健康や好みを考慮しながら、家族が帰ってくる前に美味しい晩ごはんを作るのは本当に大変なことです。
どんなに天気が悪くても、時にはぐずる子どもを連れてスーパーマーケットで買い物をするのも一苦労……。
そんなシュフの夕方はかなりハードモードなんです。
デスボイスで歌い上げることで、まるで戦場と化すスーパーの特売セールで奮闘するシュフがイメージされます。
Bメロの最後で家事と書いて「たたかい」と読んでいますが、ただの例えではないことが分かります。