「大東京万博」の魅力

Tempalay【大東京万博】歌詞の意味を解釈!なぜあなたは泣いたの?情景に投影された想いを紐解くの画像

Tempalayの奏でる不思議な音色の虜になっているファンの方も多いと思います。

そしてそのルーツを辿る時、想起されるのはPink Floydなどの70年代のプログレッシブロックです。

その頃からの試みはシンセサイザーなどを駆使した不調和音によるものでした。  

それを現代に蘇らせたのがTempalayKing Gnuです。

元々ロック自体がアウトローなものですね。

ですから音楽によって、世の中の欺瞞に対する憤りを表現したいという思いが根底にあります。

ではなぜなのかというと、私達のこの小さな国が個人を認め許す時代になってきたからではないでしょうか。

そういった意味でもTempalayの動きや新曲にファンは大きな期待を寄せています。

この「大東京万博」和洋折衷の新しい試みもみられ彼らの純粋な音楽への愛が感じられます。

今回はその音色に乗せられた美しい歌詞の世界を覗いてみましょう。

私達が忘れかけている「もののあわれ」の意味を思い出させてくれます。

少し難しそうな歌詞ですがMVも詞の内容のヒントになりそうです。

MVをチェック!

最初にMVも見てみましょう。

日本だけでなく、アジアをも凌駕したようなMVです。

彼らの意気込みが強く感じられます。

それにしても不思議な映像です。

大きな白い玉を大事そうに運んでいますね。

「万博」の開催されているところまで運んで行く様子がわかります。

最後の赤く燃える街のシーンはシュールで意味ありげです。

三角形の建物は図像学を匂わせつつ、この楽曲シンボルマークにもなっています。

歌詞の中身も気になりますのでそろそろ考察してみましょう。

「大東京万博」歌詞解説

かりそめの幸せ

醒めない酔い まほろばいとおかし 嬉しからまし
泡沫(うたかた)の朧(おぼろ)は十六夜(いざよい)
昔話のように

出典: 大東京万博/作詞:小原綾斗 作曲/小原綾斗

趣のある、とても綺麗な場所を恋人と一緒に歩いている様子が窺えます。

ほんのりと酔っていて、ささやかな幸福感を感じているようです。

曇りがちな夜空にうすぼんやりためらうように月が出ています。

少しはにかむように、恋人に一歩遅れて歩く様子を「ためらうように出てくる月」に例えているようです。

その弱弱しいがそのまま消えてなくなるのではないかと思い、自分の心情と重ね合わせています。

この幸せが続かないのではないかと不安にも感じているところです。 

古典の解説

醒めない酔い まほろばいとおかし 嬉しからまし
泡沫(うたかた)の朧(おぼろ)は十六夜(いざよい)

出典: 大東京万博/作詞:小原綾斗 作曲/小原綾斗

ご参考までに古典を引用した言葉の意味を簡単ですが書き出しておきます。

「まほろば」は「まほら」と同じ意味で語尾に「ば」をつけて「すぐれた良い所」の意味。

「うたかた」は水の泡のように儚く消えやすいこと。

「いとおかし」はよく使われますが、趣があると解釈しました。

「おぼろ」も朧月夜などとよく言いますが、ぼんやりとかもうろうとした情景のこと。

「いざよい」は満月より遅くためらうように出てくる月のことです。

空に向けられた視線

Tempalay【大東京万博】歌詞の意味を解釈!なぜあなたは泣いたの?情景に投影された想いを紐解くの画像

あなたは面白く輝いていて
どこまでをも強く羽ばたいてゆけ

出典: 大東京万博/作詞:小原綾斗 作曲/小原綾斗

あなたがとても綺麗でいつか私のそばからいなくなるのではと思う寂しさ。

それと同時に語尾の「…ゆけ」にあるようにあなたの旅立ちを後押しする気持ちもあります。

「強く…」のところも、あなたを誇らしく思っているようです。

喜びのあふれた大きな愛も感じますね。

夜の演者達