心の距離
続いては、2人の心がすれ違っている様子を表現しているという解釈です。
曇りガラスはそのガラスの向こう側にいる人の姿を歪ませます。
もちろんシルエットは見えますから、相手がどのような動きをしているのかはわかるでしょう。
しかしその人の表情までは見えません。
笑っていても、泣いていても、怒っていても、はたまた無感情でも…。
曇りガラスの向こうにいる相手は読み取ることができませんから、当然伝わることはありません。
このことから、曇りガラスとは2人の心を隔てているものの比喩だと考えられるのです。
きっと出会った当初はどこも汚れていない、透明できれいなガラスだったのでしょう。
しかし2人での時間を過ごすうちにすれ違いが増えていき、少しずつガラスも汚れていった。
結局のところ別れの原因は描かれていませんから、何がガラスを曇らせたかはわかりません。
しかし少しずつ積み重なっていたものがガラスを曇らせていったことは確かです。
ちょっとしたすれ違い。ちょっとしたいざこざ。
気持ちが伝わらない、気持ちを理解してもらえないという悲しみが、長い時間をかけて積み重なっていったのでしょう。
最終的にそれが2人の間にあるガラスを曇らせ、「この人には何も伝わらない」という悲しい確信を与えました。
もしかしたらそのガラスを曇らせたすれ違いは、きちんと向き合って話し合えば解決できたかもしれません。
相手を愛し、深く想い、そして相手のことを考えるからこそ生まれるすれ違いだってあるのですから。
しかし2人にはそれができませんでした。
なぜならお互いを愛し、深く想い、そして相手のことを考えていたから。
好きだから言えないこと、好きだから考えすぎてしまうこと、それらが積み重なりすぎたのです。
取り返しのつかない所まで行って初めて気がつく。
そんな悲しい距離を「曇りガラス」という言葉が的確に表現しているといえるでしょう。
楽曲にまつわる映像も併せてチェック!
OFFICIAL AUDIO映像をまずはご覧下さい!
歌詞の世界観をしっかりチェックして頂いたところで、併せて楽曲に纏わる映像もお楽しみ下さい。
まずこちらは、YouTubeのKing Gnu公式チャンネルにアップされているOFFICIAL AUDIO。
MVとは違い、あくまで楽曲を聴く目的で楽しんでもらうためにアップされた動画という形でしょうか。
しかし、そうであったとしてもただの1枚絵で終わらせないのが彼らの粋なところ。
サウンドに重きを置いている為、決して派手な動きのある映像ではないのですが…。
じっと見ていると、徐々に絵のいろんな箇所が変化しているのがお分かり頂けるでしょうか。
振り続ける雨の強弱や成長していく少女。
そして少女の成長と共に、少しずつ変わり続ける街の風景…。
思わず目を奪われてしまうような、じっと見続けてしまうような、そんな映像となっています。
実際に放映されたCM映像はこちら!
そしてこちらはCM版として放送された映像です。
アンニュイな表情でベンチに座っていたり、必死で何かを追いかけ探している様子の坂口健太郎。
楽曲のクールな印象と非常にマッチした映像のCMであったことがお分かり頂けるかと思います。
映像の美しさと耳馴染みのない最先端のサウンドがリンクした、多くの人を惹きつけるCM。
この楽曲を以て、よりKing Gnuの名はお茶の間に広く知れ渡ったのでした。
最後に
いかがでしたでしょうか?
本日はKing Gnuの楽曲【傘】の歌詞について解説致しました。
別れの悲しみと、失って知る大事な物の尊さ。
最先端のポップサウンドに合わせて普遍的な感情に寄り添うような歌詞を歌った、そんな曲となっています。
ぜひこの楽曲をきっかけに、皆さんも大切な人への想いを見直してみてはいかがでしょうか。
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本サイトOTOKAKEには、まだまだ皆さんに読んで頂きたい解説記事がたくさん。
最後に本記事と併せて楽しんで頂きたい記事を、少しだけピックアップさせて頂きます。
今回は筋金入りのKing Gnuファンである筆者オススメの、少しツウな方向けのKing Gnu楽曲をご紹介致します。
King Gnu【It's a small world】
まず最初にご紹介するのは【It's a small world】。
アルバム『Sympa』に収録されているこの曲。
歌詞もさることながら、ぜひ併せてボーカル井口理演じる楽曲MVの世界観もお楽しみ頂きたい1曲です。
King Gnu【It's a small world】歌詞を解説!独特の“小さな世界”にハマろう! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
「It's a small world」は奇才集団King Gnu(キングヌー)独特の世界にど~っぷりハマれる最高傑作。特殊メイクのボーカル井口理(いぐちさとる)さんがイケてるステップを刻むMVを見ると、衝撃が走るはず!近未来のSFっぽい?歌詞の世界に飛び込みましょう♪