思い出の枯葉

少し冷たい風です
二人の肩に枯葉が舞い散る

出典: リ・ボ・ン/作詞:三浦徳子 作曲:松田良

この歌詞パートで分かるのは、この物語が秋の出来事であるということ。

2人の距離が遠ざかったことによって2人の間には風が吹くだけの空間が生まれました。

その風が主人公に人恋しさを感じさせているのかもしれません。

2行目の「枯葉」は何を表しているのでしょうか。

「枯葉」というのは春夏に育った緑が散っていく様子を表していると考えて良いでしょう。

今までの2人で過ごした思い出が今、枯葉となって2人の肩に降りかかっているのではないでしょうか。

揺れる心

私の心のリボン
ゆらり搖れては 愛の色

出典: リ・ボ・ン/作詞:三浦徳子 作曲:松田良

秋風に吹かれながら、胸元で揺れているリボン。

どこか寂しげに揺れている様子が想起させられるのは、主人公が恋人の涙を目撃したからでしょう。

彼女は恋人に対して深い愛情を持っていながら、嫉妬の余り心にもないことを言ってしまったことを後悔しています。

ここでは彼への愛おしさと申し訳なさの間で揺れる彼女の心情を表しているのでしょう。

肌寒くなってくる秋の物語であると考えると、さらに切なさが増してきます。

嫉妬の原因

本心ではない

顔も見たくないと さっき言ったけれど
怖い位 好きだから… ごめんね

出典: リ・ボ・ン/作詞:三浦徳子 作曲:松田良

1行目では主人公が恋人と最後に言葉を交わした際、思わず口をついて出てしまった台詞を指しているのでしょう。

我を忘れて怒ってしまったことを後悔し、同時に心の距離が以前より遠ざかったことによりその愛を再確認しているようです。

2行目ではその愛の大きさを言葉でいい表しています。

自分でも何故それほど好きなのか分からないほど、彼に対して惹かれているのでしょう。

喧嘩になったのも自分ではコントロールしようがないほど恋人のことを愛しているが故のこと。

彼が他の女性と仲良くしていることに深く嫉妬してしまうのもその好意の大きさが原因なのでしょう。

ここでの彼への謝罪の言葉は、彼に対して思ってもいないことを言ってしまったことに対しての謝罪だと考えられます。

彼女にとって恋人は以前と変わらず大切な存在のままなのです。

他の思い出

あの娘がくれた想い出なんか
今この場所で捨てちゃって…

出典: リ・ボ・ン/作詞:三浦徳子 作曲:松田良

ここでいう女性も前述のハンカチをくれた女性と同じだと考えられます。

もしかしたらそのハンカチの送り主というのは、恋人が以前付き合っていた女性なのではないでしょうか。

ハンカチの送り主が誰なのかを知った主人公が、そのことに激怒したのでしょう。

しかし彼にとってそのハンカチには深い意味はなくただ使っていただけ。

だから彼はそんな些細なことが原因で主人公との間に深い溝が出来てしまったと感じて涙を流していたのでしょう。

主人公にとってはそんなハンカチにも主人公と元恋人の2人の間の思い出が詰まっていると思ったのかもしれません。

だから深く嫉妬をしてしまったのです。

主人公は、恋人にハンカチと共に思い出も捨てて欲しいと願っています。

それは主人公の自分だけを見て欲しいという気持ちの現れであるとも考えられるでしょう。

自分よりも前に付き合っていた人とのことが、少しでも彼の心にあることに嫉妬してしまう。

それは主人公がそれだけ恋人のことが好きであるということの証明でもあります。

2人を繋ぐ「リボン」

あなたの愛のリボンでどうぞ
今 私だけ抱きしめて

出典: リ・ボ・ン/作詞:三浦徳子 作曲:松田良

この楽曲最後の歌詞パートがこちらです。

タイトルでもある「リボン」という言葉が使用されています。

2人を結びつけている愛情を「リボン」という言葉で表現しているのでしょう。

そして2行目では、主人公が彼に抱いている今の想いが語られています。

彼女の愛は、彼の過去にさえ嫉妬してしまうほど大きなものなのでしょう。

この楽曲で描かれていたのは、2人の愛の大きさ故の気持ちのすれ違い。

しかしこのすれ違いは、2人がお互いの気持ちを再認識する上で必要なものだったのでしょう。

2人の気持ちを繋ぎ止める「リボン」が固く結ばれていることが伝わる歌詞の物語でした。