ギターがアメリカ南部のバンジョーのような旋律を奏で、そのメロディにいくつもの声が重なります。

人生はあっという間だといっているのでしょう。

しかしそこに、確かに何かが存在する。

それは精一杯生き抜く人の意志のようなものではないでしょうか。

きっとそんな想いを軽快なメロディに乗せて歌っているのです。

ラストのサビ

誰もそれほど気にしちゃいないよ
ちっぽけな存在こそが自由

嗚呼、突き抜けようぜ
泣いちゃいられない
この道はどこへと続く
誰でももう一度走り出せる
愛はまだギラギラしてるかい
神様、Oh yes I’m ready

出典: デウス/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO

最初の2行が新しい歌詞で、そのあとは1番のサビの歌詞と同じです。

自分の状況を俯瞰していますね。

失敗しようが成功しようが、世界にとっては大した問題じゃないといっているようです。

学校でも仕事でも、人間社会で生きているとどうしても人目を気にせざるを得ません。

しかし、実際は自分にとっては大きな出来事でも、相手は忘れていたりするものです。

失敗するときも、また前に進むときも、自分のやりたいようにやろうと伝えたいのではないでしょうか。

他人の視線ばかり気にして身動きが取れなくなるよりは、その方がずっと自由だと思います。

「デウス」という曲は、とても前向きでエネルギッシュなメッセージを投げかけてくれているのです。

さて、次はいよいよタイトルの真の意味に迫ります。

なぜ曲のタイトルが「デウス」なのか

転ぶ=棄教

歌詞を聴いて、なぜタイトルが「デウス」なの?と感じた人も多いでしょう。

極端な話をすれば、曲名は「ゴッド」でもよかったはずです。

「デウス」という言葉の持つ意味と、2番Bメロの“転び方”というワードにヒントが隠されています。

デウスはキリスト教伝来の際に日本に伝わった言葉。

頻繁には見かけない言葉ですね。

そして、「転ぶ」とは物理的な転倒の他に、棄教(宗教を捨てる)ことを意味します。

転びキリシタン(ころびキリシタン)は、江戸時代に拷問や迫害によって棄教したキリシタン(吉利支丹)のことである。また、宣教師などの宗教指導者の場合には転びバテレンと言った。関連して、キリシタンが棄教することを「転ぶ」と言う。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/転びキリシタン

スコセッシが描いた世界観と通ずる?

「デウス」という単語だけでも、「転ぶ」単語だけでも断定はできません。

しかし、関連する2つの言葉が一緒に歌詞に出てきました。

歌詞にキリシタンの物語を重ねている可能性は捨てきれません。

博学な稲葉さんなら「転ぶ」の意味を知っていたとしても不思議ではないでしょう。

江戸時代にキリスト教の布教や信仰が禁止され、宣教師や信者にとっては辛い時世となりました。

そう考えると「デウス」の歌詞に隠された別のストーリーが浮かび上がってきます。

希望を抱いて海を渡ってきた宣教師の挫折を描いた物語です。

そう考えればタイトルが「デウス」なのも納得できます。

稲葉さん本人ではないので本当のところはわかりません。

ただ、湾岸線を走る車の情景に、こんなサイドストーリーをプラスしても趣き深いと思います。

興味がある人は作家遠藤周作の小説を監督マーティン・スコセッシが実写化した『沈黙』をみてみましょう。

ここで説明した世界観が理解できる映画です。

「転ぶ」という言葉も頻繁に登場します。

「デウス」の歌詞解釈のまとめ!

湾岸線を走り、もう一度頑張ろうと前向きになれる「デウス」の歌詞。

信念が一度崩れてしまったといても、一筋の光芒が残っていれば再起できるというメッセージがあります。

それは遥か昔の江戸時代でも同じです。

歌詞が伝える想いを一文で表してみます。

「他の人からみたら大きな敗北を喫しても、信念を残しているならまだ前に進むことができる!」

主人公はきっとこういいたかったのでしょう。

最後にB'zアルバム「NEW LOVE」に収録された曲についての記事を紹介して終わります。

B'zのアルバム曲「兵、走る」はラグビーの日本代表応援ソングとしても人気の楽曲です。今回は聴くと闘志が湧いてくる歌詞の内容と意味を徹底解説していきたいと思います。走り出したくなるようなメロディーラインにも是非注目してみてください。

江崎グリコの「ポッキー」のCMで印象的に使用されているB'zの「マジェスティック」。今回はこの曲の歌詞の内容を掘り下げていきます。どんな世界が待っているのでしょうか。

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