1幕の歌もの楽曲は4曲あり、前半2曲が衝撃的で激しかった分、「ユーモア」でいったん落ち着く流れです。

こちらもCMソング

井口理さんのメロウな歌と、勢喜遊さんが新たに取り組んだという打ち込みのビートが印象的です。

実際にキックしたバスドラムの音源を逆再生してループさせているとか。

新井和輝さんはデジタルなシンセベースをメインに、エレキベースの生音もうねらせています。

常田大希さんのアコースティックギターも生音。

ループするデジタル音と生音が絶妙に絡み合い、独特のグルーヴが生まれています。

「ユーモア」の物語性

King Gnu【CEREMONY】アルバム収録曲解説!これは新たな幕開け?バンドの物語に触れようの画像

始まりと終わりはつむじ風
いつだって唐突に揺さぶられ

耐え忍ぶ時は永遠に感じられ
まあそれも今じゃ御一興

出典: ユーモア/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

人気ゲームのタイアップということも考慮されたのでしょうか。

「ロマサガRS」の技名「つむじ風」がさり気なく歌詞に混ざっています。

のらりくらりと踊るんだ

どうしようもないこの世界を
悪あがき、綱渡り

出典: ユーモア/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

実際に華々しい世界へ躍り出ると大変なことも多いようです。

この曲は、J-POPとしても聴きやすいメロディの歌もの楽曲

絶対数の少ない音楽ファンに届く曲と、どちらも織り交ぜてバランスを取っているのかもしれません。

5. 白日

「白日」の音楽性

日本テレビ系 土曜ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』主題歌

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/CEREMONY

坂口健太郎さん主演ドラマ主題歌として大ヒットした「白日」。

このアルバムの中でも、1幕の最後を飾るロックバラードという役割が見事にはまっています。

美しいハイトーンボイスに、歪みの効いたギターソロと走り回るベースを掛け合わせるという清濁の融合

J-POP的なメロディと、急に止まったり跳ねたり跳ねなかったりするファンキーなリズムの妙もたまりません。

エクスペリメンタル・ソウルバンドWONK(ウォンク)江﨑文武(えざき あやたけ)さんのピアノも秀逸。

「白日」の物語性

King Gnu【CEREMONY】アルバム収録曲解説!これは新たな幕開け?バンドの物語に触れようの画像

戻れないよ、昔のようには
煌めいて見えたとしても

真っ白に全てさよなら
降り頻る雪よ
全てを包み込んでくれ

出典: 白日/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

King Gnuというバンドをスターダムに押し上げた立役者です。

Teenager Forever」では10代の煌めきが永遠に続くかと思われましたが、どうやらそうはいきません。

サウンド面で相反する要素を同居させるところが醍醐味のバンドなので、そこが伝わってほしい。

そんな意味も漂いつつ、できれば過去に戻りたいと願うほどの葛藤が見え隠れします。

6. 幕間

King Gnu【CEREMONY】アルバム収録曲解説!これは新たな幕開け?バンドの物語に触れようの画像

「開会式」同様、『Mrs.Vinci In Tokyo』の一部分。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/CEREMONY

曲と曲の合間に演奏されるインスト曲は、音楽用語ではインタールード

これを日本語で表すと「幕間」です。

常田大希さんは東京芸大でチェロを専攻しつつドロップアウトされました。

この曲を含む「CEREMONY」のインタールード3曲には、その頃に弾いたチェロ音源が使われているそうです。

音楽家としての最もコアな部分が表現されていると考えられます。