家入レオに提供した楽曲「Overflow」のセルフカバー。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/CEREMONY

2019年4月にリリースされた家入レオさん6枚目のアルバム「DUO」。

その提供曲「Overflow」の本家King Gnuバージョンです。

1980~90年代に流行ったニュージャックスウィングというR&Bのビートが心地よいファンクナンバー

グルーヴィーなリズム、オートワウのかかったベース、騒がしいギターソロなど聴きどころが盛りだくさんです。

「Overflow」の物語性

King Gnu【CEREMONY】アルバム収録曲解説!これは新たな幕開け?バンドの物語に触れようの画像

オーバーフローしているんだ
日々に雁字搦めなんだ

見捨てずにまた遊んでくれよ
昔みたいに笑ってくれよ

どうにもこうにもうまくいかない
脳味噌オフ→事故→向かう泥仕合

出典: Overflow/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

基本的にはラブソングですが、King Gnuというバンドの物語として解釈することもできます。

タイトなスケジュールで楽曲制作する機会が増え、とうとう許容範囲を超えたという意味かもしれません。

制約のある中で作った音楽だけれど、昔からKing Gnuを聴いてくれている人も離れないでほしい

そういうメッセージにも聞こえます。

10. 傘

「傘」の音楽性

ブルボン「アルフォート」CMソング

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/CEREMONY

2幕の歌もの楽曲は5曲あり、その4曲目ということでいよいよ終盤です。

「白日」が主題歌を飾ったドラマに続き、坂口健太郎さんが出演するCMのテーマソングに起用された「傘」。

これまでのアルバムでも展開されていた、切ないラブソングの流れを汲むナンバーです。

特徴的なのは美しい歌声

さらっと聴くと耳なじみがいいものの歌おうとすると難しく、複雑なメロディラインに気づくはずです。

そこへアコースティックギターのカッティング、スクラッチ音、心地よいグルーヴのリズムなどが絡み合います。

歌謡曲、R&B、ジャズの要素を含みつつカテゴライズし難い、独特のKing Gnuワールドといえるでしょう。

「傘」の物語性

King Gnu【CEREMONY】アルバム収録曲解説!これは新たな幕開け?バンドの物語に触れようの画像

さよなら
ハイになったふりしたって
心模様は土砂降りだよ
傘も持たずにどこへ行くの?

出典: 傘/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

「白日」の大ヒットで報われたKing Gnuですが、もしかしたら浮かれたふりをしていただけなのでしょうか。

傘は雨を避けるための道具です。

思い出されるのはアルバム「Tokyo Rendez-Vous」の最後2曲「NIGHT POOL」「サマーレイン・ダイバー」。

この2曲と同じようにラストで雨が降る風景を描くということは、原点回帰を意味しているのかもしれません。

一見、今回のアルバムでセレモニーを開催して盛り上がっている様子です。

しかし、常田大希さんは涙をこぼすこともあったのでは?と想像されます。

深読みのし過ぎばかりじゃ
満たされやしなくて

出典: 傘/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

確かに歌詞を深掘りしても、ご本人の心の内はわかりません。

バンドの物語が重ねられているのかどうかも、あくまでもリスナーの想像という点をわきまえたいものです。

11. 壇上

「壇上」の音楽性

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